健保ニュース
健保ニュース 2025年新年号
7年度審査支払事務手数料
医科・歯科・調剤それぞれ引き下げ
平均手数料10.2円減
健保連は12月20日の理事会で、令和7年度の審査支払事務手数料や出産育児一時金等の支払にかかる手数料など、社会保険診療報酬支払基金との契約更改に関する合意内容について了承した。7年度の契約更改の内容は、この日の理事会に先立って健保連、支払基金、厚生労働省保険局による3者協議会で協議し、最終的に全国健康保険協会を含めた4者懇談会で合意した。
7年度の審査支払事務手数料の1件当たり単価は、医科・歯科レセプトにおける▽判断が明らかなレセプト(電子のみ)34.70円▽一般(電子・紙)レセプト56.20円─となり、それぞれのレセプトの手数料を前年度から引き下げた。調剤レセプトは28.50円で、平均手数料は45.70円となる。
前年度に比べ、5年4月に新設された医科・歯科レセプトにおける判断が明らかなレセプトは4.90円、一般レセプトは13.60円の引き下げ。調剤レセプトは4.10円の引き下げとなり、平均手数料は10.20円の減額。
レセプト件数の増加による単価減少および別途積立預金からの受け入れの増加が、平均手数料の減額の要因となっている。
出産育児一時金等の支払手数料は1件当たり103円で昨年度と同額。
また、前年度と同様に、保険者等の事情で電子レセプトを電子媒体で受け取る場合は1件につき1.30円、紙媒体で受け取る場合は1件につき12.20円を付加手数料として加算する。
なお、支払基金では、7年度予算に、令和4年度の決算剰余金69.3億円のうち、財政安定化預金分28.0億円を除いた41.3億円を3分割した、13.8億円、5年度の決算剰余金94.4億円を3分割した31.5億円を合計した45.2億円を受け入れることとしている。
審査支払事務手数料について、支払基金は、審査事務集約化計画工程表にもとづき改革を進め、差引70億円程度の削減を行ってきたと言及。手数料の高低だけでなく、その効果分の評価を含めた議論の実施を求めている。
一方、健保連は、多額の決算剰余金が発生する状況が連続することは、手数料単価を決める仕組みに問題があると言わざるを得ないと指摘。
「レセプト取り扱い見込件数を低く見積もることは、余計な手数料の支出という、健保組合のリスクにつながっている」と主張している。
今後の契約交渉については、▽原審査の質の向上に向けた取り組み▽原審査3階層および再審査手数料負担の検討▽見込件数との乖離が生じた場合の対応、取り扱い件数推計の検証▽IT化推進経費積立預金の必要積立額の見直し▽中期財政(別途積立預金の活用)の検討─について早期に検討し、次回手数料協議開始時までに一定の結論を得ることとした。
健保連では、支払基金との契約更改の内容を理事会での了承を踏まえて2月の総会で審議し、その取り扱いを3月の理事会に委任することを諮る。その後、7年3月の審査支払対策委員会、理事会で契約の詳細に関する承認を経て、7年4月に契約締結を予定している。