健保ニュース
健保ニュース 2024年12月上旬号
福岡厚生労働相が会見
全世代型社会保障構築へ改革
保険料 負担上昇抑制を重要課題
国民民主党の税制調査会は11月25日に会合を開催し、健保連など各種団体へ来年度の税制改正に関する要望のヒアリングを実施した。
国民民主党は政務調査会長の浜口誠参議院議員をはじめ20名が出席した。
健保連からは、河本滋史専務理事と伊藤悦郎常務理事が出席。河本専務理事は、健保組合・健保連の重点要望として、1367億円の赤字となった令和5年度決算見込みと、6年度も1700億円の赤字を見込む今後の財政見通しを踏まえ、「現役世代の負担軽減が不可欠」と強調し、▽世代間の負担アンバランスの解消▽負担能力に応じた負担方法の推進▽持続可能な制度に向けた安定財源の確保─を訴えた。
そのうえで、制度改正に向けては、①高齢者医療制度の見直し②薬価改定の毎年実施③出産費用の保険適用への検討─の3点を要望。
①は、▽70歳から74歳の前期高齢者の窓口負担割合を原則3割負担▽75歳から79歳の後期高齢者の窓口負担割合を原則2割負担▽後期高齢者の現役並み所得者(3割負担)の範囲拡大・公費投入▽医療費の高額化を踏まえた高額療養費の自己負担限度額等の見直し─を求めた。
このうち、高額療養費制度の自己負担限度額等については、足元の物価高騰や賃金の上昇も踏まえて見直す必要があると補足した。
②は、市場実勢価格を踏まえた薬剤費の適正化、薬価の引き下げ分は国民負担の軽減に還元するよう主張。
河本専務理事は、「2年に1回の適用にとどまる薬価改定のルールを中間年改定も含む毎回の改定で適用することにより、そのメリットをタイムリーに国民に還元してほしい」と訴えた。
③は、「出産費用の負担軽減」と「保険料負担者の納得感」の両立を図ることが必要とした。
他方、7年度政府予算・6年度補正予算に向けては、(1)高齢者医療費への拠出金の負担軽減等、現役世代負担軽減措置の確実な実行(R7概算要求950億円)▽「高額医療交付金交付事業」への国庫補助金の増額(同100億円)▽出産子育て政策、医療DXの推進につながる取組みおよびマイナ保険証の利用促進、事務負担の軽減に対する財政支援─を要望した。