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健保ニュース

健保ニュース 2024年11月中旬号

8年度改定に向けた医療経済実調
中医協 賃上げ効果の把握など課題

中医協の調査実施小委員会は6日、令和8年度の次期診療報酬改定に向けた「第25回医療経済実態調査」の具体的な検討に着手した。

この日の会合では、厚生労働省が、医療機関等における医業経営などの実態を明らかにし、診療報酬に関する基礎資料の整備を目的とする「医療経済実態調査(医療機関等調査)」の主な検討事項として、▽調査項目▽調査設計▽有効回答率─を提示。

調査項目は、▽新型コロナウイルス感染症関連の項目▽物価高騰にかかる項目▽賃上げにかかる項目▽薬局の機能に応じた経営状況の把握▽調査項目の簡素化─を検討事項として提案した。

今回の調査時期も新型コロナウイルス感染症が流行した地域があることから引き続き、新型コロナ関連の補助金など、施策の影響を把握。

賃上げにかかる項目では、6年度診療報酬改定で新設した「ベースアップ評価料」による効果を把握するとした。

調査項目の簡素化は、有効回答率向上の観点から、相対的に必要性の低い調査項目を整理。その際、調査の継続性を維持する観点から、調査項目の内訳を対象として簡素化する。

サンプル数が少ないと予想される集計への対応は、「医療法人の経営情報データベースの活用を検討すべき」との意見があったことを明記した。

有効回答率の向上は、調査票の簡素化をはじめ、回答施設に対するフィードバック内容を見直す、診療側関係団体に調査への協力を依頼するといった取り組みを引き続き進めていく。また、電子調査票のメリットを周知し、その利用を促進していくこととした。

このほか、医療保険者の財政状況を把握し、診療報酬に関する基礎資料の整備を目的とする「医療経済実態調査(保険者調査)」は、前回と同様の調査とすることを提案した。

健保連の松本真人理事は、賃上げにかかる項目について、「ベースアップ評価料だけで効果を把握することはできない」と指摘。初・再診料や入院基本料の引き上げという形で対応した40歳未満の勤務医や事務職員等の賃上げ状況の把握も別途必要との考えを示したうえで、常勤だけでなく、非常勤や派遣についても状況を把握すべきと主張した。

支払側の佐保昌一委員(日本労働組合総連合会総合政策推進局長)も松本理事と同様の見解を示し、賃上げ促進税制の活用の有無も含め、必要な調査項目を追加するよう要望した。

厚労省は、委員からの意見を踏まえ、具体的な調査内容を検討し、改めて調査実施小委員会に提示する意向を示した。

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