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健保ニュース 2024年11月中旬号

全世代型社会保障構築本部が始動
現役世代の負担軽減めざす
石破首相 改革工程踏まえ着実に実現

政府の「全世代型社会保障構築本部(本部長・石破茂首相)」は8日、石破政権発足後、初めてとなる会合を首相官邸で開催した。

会合では、「現役世代の負担軽減」と「社会保障制度の支え手を増やす」の2点を全世代型社会保障のめざすべき方向性として明示。「全世代型社会保障構築をめざす改革の道筋(改革工程)」に掲げられた具体的な改革項目について、全世代型社会保障構築会議の意見も踏まえつつ、実現できるものから着実に実施する方針を示した。

この日の会合では、赤澤亮正全世代型社会保障改革担当相が、全世代型社会保障について、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心となっているこれまでの社会保障の構造を見直し、年齢に関わりなくすべての世代が能力に応じて支え合い、必要な給付がバランスよく提供される、持続可能な社会保障をめざすもの」と説明。

そのうえで、▽現役世代の負担軽減▽社会保障制度の支え手を増やす─の2点を全世代型社会保障のめざすべき方向性に据え、全世代型社会保障構築会議で議論を進めていく方針を示した。

「現役世代の負担軽減」は、少子化の流れを変えるため、子育て・若者への支援を強化するとともに、増加する社会保障給付を重点化・効率化しつつ、能力に応じて皆で支え合う仕組みを構築。

「社会保障制度の支え手を増やす」は、働き方に中立的な社会保障制度とすることで、女性や高齢者の就労を促進するほか、女性活躍に繋げていくことも重要視した。

政府が令和5年12月22日に閣議決定した「改革工程」は、2028年度までに検討する取り組みとして、▽医療・介護の3割負担(現役並み所得)の適切な判断基準設定等▽経済情勢に対応した患者負担等の見直し(高額療養費自己負担限度額の見直し)▽薬剤保険給付の在り方の見直し▽医療提供体制改革の推進(地域医療構想、かかりつけ医機能が発揮される制度整備)▽医療DXによる効率化・質の向上─など、医療・介護制度等の改革項目を掲げた。

これらの改革項目は、2028年度までの各年度の予算編成過程において、実施すべき施策を検討・決定。2028年度までに公費節減効果について1.1兆円程度を確保することとなっている。

石破首相は、「現役世代の負担を軽減し、誰もが年齢に関わらず能力や個性を最大限にいかせる全世代型社会保障構築に向けた取り組みを進めていく」と発言。

そのうえで、「改革工程」に掲げられた具体的な改革項目について、有識者の幅広い意見も踏まえつつ、実現できるものから着実に実施し、人口減少の時代に合った全世代が活躍できる社会保障への転換に向けて検討を深めるよう赤澤全世代型社会保障改革担当相と福岡資麿厚生労働相に指示した。

赤澤全世代型社会保障改革担当相は、会合終了後の記者会見で、「歳出に占める社会保障経費の割合は高く、財政の持続可能性を考えると、しっかり向き合っていく必要がある」と言及。

社会保障の持続可能性の観点から、現役世代の負担を少しでも軽減していく、支え手を増やす努力が重要と指摘し、今後、全世代型社会保障構築会議で「改革工程」に掲げられた項目について具体的な議論を進めていく意向を示した。

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