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健保ニュース 2024年10月下旬号

中医協の薬価・費用対合同部会
高額認知症薬の対応を議論

中医協は9日、薬価専門部会と費用対効果評価専門部会の合同部会を開催し、高額医薬品(認知症薬)への対応について議論した。

この日の会合では、厚生労働省が既収載品の「レケンビ」と同様の高額認知症薬である「ケサンラ点滴静注液350㎎(成分名ドナネマブ)」における、▽薬価算定▽薬価収載後の価格調整─の課題を整理。

このうち、薬価収載後の価格調整の課題では、薬価算定方式に応じた費用対効果評価の進め方として、(1)類似薬効比較方式で算定され、有用性系加算が無い(2)類似薬効比較方式で算定され、有用性系加算がある(3)原価計算方式で算定された─場合についての対応案をそれぞれ提示した。

(1)への対応案では、▽ケサンラを対象品目とする費用対効果分析は実施しない▽レケンビの費用対効果評価の結果を受けた価格調整に準じてケサンラの薬価を調整する─と明記。

(2)、(3)への対応案では、▽ケサンラを対象品目とする費用対効果評価分析を実施する▽介護費用の取り扱いおよび価格調整範囲のあり方に関して、「レケンビに対する費用対効果評価について」に準じて進める─方向性を示した。

そのうえで、ケサンラの薬価収載に向け、①薬価算定方法②収載後の価格調整③費用対効果評価─を論点として提案。

①は、レケンビと同様に現行の薬価基準にもとづき算定し、補正加算は既存のルールにしたがって評価する。

②は、レケンビと同様、4半期での速やかな再算定の適否を判断するため、薬価算定方法または2年度目の販売予想額にかかわらずNDBで把握する。

③は、算定方式に応じた区分により指定し、▽H1(ピーク時市場規模100億円以上)と指定された場合には、介護費用の取り扱いおよび価格調整範囲のあり方に関して、レケンビの際に議論された、「レケンビに対する費用対効果評価について」に準じて進める▽H5(H1~4区分の類似品目)と指定された場合、レケンビの類似品目として対応する─こととした。

健保連の松本真人理事は、「論点として示された考え方に異論はない」と述べ、厚労省が提案した薬価算定方式に応じた費用対効果評価の進め方についても賛意を示した。

一方、薬価調整範囲については、「費用対効果評価を積極的に活用する観点から、閾値の価格を指標とする方法を適用すべき」と指摘。合わせて、ケサンラとレケンビのいずれについても、使用状況をきちんとモニタリングするよう厚労省へ要望した。

診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、論点①について、「ケサンラとレケンビの違いを踏まえた臨床上、治療上の使い分けはあると考えられるが、医薬品としての類似性はかなり高い」と発言。そのうえで、「薬価算定方式を変えるほどの理由は見当たらない」との考えを示し、現行の薬価基準にもとづくケサンラの薬価算定に賛同した。

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