健保ニュース
健保ニュース 2024年10月下旬号
次期改定に向けた医療経済実調
中医協が議論の進め方を承認
中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は9日の総会で、令和8年度の次期診療報酬改定に向けた第25回医療経済実態調査について、調査実施小委員会における議論の進め方を承認した。
10月以降、調査実施小委員会で医療経済実態調査の実施に向けた検討を開始し、7年6月に調査を実施したうえで、7年11月中旬に総会へ調査結果を報告するスケジュールとなっている。
調査実施小委員会では、物価高騰や新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経営実態を把握するための調査項目の見直しや、一般診療所の主たる診療科別などサンプル数が少ないと予想される集計への対応、有効回答率の向上策について議論を進めていくこととした。
健保連の松本真人理事は、「サンプル調査の限界は当然ある」と指摘したうえで、医療法人の経営情報データベースを医療経済実態調査の補完的な位置づけとして活用するよう要望。
一方、6年度診療報酬改定の議論のなかで過去に示されたことのない推計データが中医協で突然示された経緯に触れ、「次回改定の議論で推計データを使用する場合は、推計方法や条件等を含め事前に中医協で合意を得る必要がある」との考えを示し、厚労省に適切な対応を求めた。
支払側の奥田好秀委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会長代理)は、「医療経済実態調査は公定価格を決定する診療報酬改定の議論の基礎となる重要な調査」と指摘し、有効回答率の向上へ医療機関側の協力を要請した。
診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、「医療側はこれまでも有効回答率の向上に協力してきた」と理解を求めたうえで、「医療機関側の負担を軽減する様々な工夫も含め、まずは調査実施小委員会で議論を進めるべき」と主張した。