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健保ニュース 2024年10月中旬号

石破首相が所信表明
医療等社会保障全般を見直し
時代にあった制度へ転換

石破茂首相は4日、衆参両院の本会議で、就任後初めての所信表明演説を行った。
 石破首相は、「すべての人に安心と安全をもたらす社会を実現していく」と強調したうえで、国民の納得と共感を得ながら安全安心で豊かな日本を再構築するために、①ルールを守る②日本を守る③国民を守る④地方を守る⑤若者・女性の機会を守る─の5本の柱で日本の未来を創り、未来を守る考えを表明した。

このうち、②では、少子化と人口減少を「静かな有事」と位置づけ、「今の子育て世代が幸せでなければ、少子化の克服はない」と指摘。「こども未来戦略」を着実に実施するとともに、働き方改革を強力に推し進めるとした。

他方で、日本経済については、「デフレ脱却」を最優先に実現するため、「経済あっての財政」との考え方に立った経済・財政運営を行い、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」を実現しつつ、危機に強靭な経済・財政を構築していくと言及。一方、柔軟な社会保障制度の再構築を実現するとともに、データにもとづき財政支出を見直し、ワイズ・スペンディングを徹底していく意向を示した。

③では、賃上げと人手不足緩和の好循環に向け、「1人ひとりの生産性や付加価値、所得を上げることで物価上昇を上回る賃金の増加を実現していく」と発言。さらに、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」の実現を図るため、経済対策を早急に策定し、その実現に取り組むとした。

他方で、社会保障制度については、「次の時代に負担を先送りしないことが今を生きるわれわれの責任だ」と強調。そのうえで、「医療・年金・子育て・介護など、社会保障全般を見直し、国民が安心できる社会保障制度を確立する」と述べた。

その際、今の時代にあった社会保障へと転換し、多様な人生の在り方・選択肢を実現できる柔軟な制度設計を行うほか、人口減少時代を踏まえ、意欲のある高齢者、女性、障害者などの就労を促進し、「誰もが年齢に関わらず能力や個性を最大限生かせる社会をめざす」との方針を示した。

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