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健保ニュース 2024年10月上旬号

7年度薬価改定へ各論を議論
中医協 新創加算の在り方など論点

中医協の薬価専門部会は9月25日、令和7年度薬価改定に向けて、▽イノベーション評価▽国民皆保険の持続性─をテーマに議論した。

6年度薬価制度改革では、日本の創薬力強化とともに、ドラッグ・ラグ/ロスの解消を実現するため、革新的新薬のイノベーションの適切な評価を推進するための薬価上の措置を実施。

このなかで、新薬創出等加算は企業指標にもとづく企業区分と加算係数を廃止する見直しを行ったが、同加算の対象企業数は5年の92企業に対し、6年は105企業へと増加した。

他方、政府の「骨太の方針2024」は、「7年度薬価改定に関しては、イノベーションの推進、安定供給確保の必要性、物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、その在り方について検討する」と明記している。

こういった経緯を踏まえ、厚生労働省は、この日の会合に、7年度薬価改定の在り方を検討するにあたって、イノベーションの推進や国民皆保険の持続可能性等への考慮をどのように考えるかを論点として提示した。

健保連の松本真人理事は、「6年度薬価制度改革により、イノベーションは十分に評価されている」との考えを示した。

そのうえで、7年度薬価改定では、国民皆保険制度の持続可能性とのバランスをより強く意識し、市場実勢価格にもとづく改定にとどまらず、薬価改定ルール全般について検討する必要があると指摘。

特に、新薬創出等加算の累積額については、イノベーションの評価が既に充実されていることを踏まえると、7年度薬価改定から控除し、保険財政に還元する必要があると改めて強く要望した。

診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、「薬価上の措置がイノベーションの推進等にどのような効果をもたらしたのかが最も重要だ」と言及。8月7日の業界ヒアリングにおける企業・業界の意見では、「貴重な医療財源を投入して薬価で評価しても効果が期待できないと判断せざるを得ない」との認識を示した。

そのうえで、「薬価上の措置がどのような効果をもたらしたかを具体的に明らかにしない限り、議論は進まない」と主張するとともに、「薬価で評価されない限り、ドラッグ・ラグ/ロスの対策に取り組まない」というような意識は変革する必要があると訴えた。

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