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健保ニュース 2024年9月中旬号

社会保障費の自然増圧縮
自民党厚労部会 フレーム自体の見直しも

自民党の厚生労働部会(大串正樹部会長)は8月28日、厚労省が提示した令和7年度厚労関係予算概算要求ならびに税制改正要望について議論し、部会長一任で了承した。

厚労省は、7年度厚労関係予算概算要求について、年金・医療費等にかかる経費に対する高齢化等に伴う自然増として前年度から3677億円上積みすると明示。政府は、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加相当分におさめる、これまでの歳出改革努力を継続する方針を示している。

7年度厚労関係予算概算要求における重点要求では、今後の人口動態や経済社会の変化を見据えた保健・医療・介護の構築や包摂社会を実現するとともに、国民1人ひとりが安心して生涯活躍できる社会の実現に向け、①全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築②持続的・構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進③1人ひとりが生きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現─を柱に位置づける。

このうち、①では、▽創薬力強化に向けたイノベーションの推進と医薬品等の安定供給確保▽医療・介護におけるDX、地域医療・介護の基盤強化の推進等▽予防・重症化予防、女性の健康づくり、認知症施策の推進等─を盛り込んだ。

このほか、物価高騰対策、賃上げ促進環境整備対応等を含めた重要な政策、薬価改定への対応等は、金額を明示しない「事項要求」として、年末に向けた予算編成過程で検討することとしている。

会議終了後、記者の取材に応じた大串部会長は、議員から寄せられた意見について、「すぐに対応できるものと検討しなくてはならないもの、検討中のものがあり、要望や意見をしっかり受け止め対応していく」と発言。

特に、医師の偏在対策については多くの議員から意見が出されたとして、「対応の仕方の検討や実態把握などを進めるため、継続的に議論していかねばならない」と述べた。

他方、年金・医療費等にかかる社会保障関係費については、「デフレ社会ではなくなった現在、実施の仕方をはじめ、進め方そのものについて財務省と相談のうえで検討しなくてはならない」等の意見が出されたと説明。

そのうえで、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加相当分におさめる現行の予算編成について、「厚労省と財務省間でしっかり相談しながら、議論の仕方やフレームのつくり方そのものを見直す必要があるのかもしれない」との考えを示した。

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