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健保ニュース 2024年8月下旬号

公明厚労部会が概算要求へ重点政策
健保組合への財政支援など提言
高齢者医療 拠出金負担軽減への支援も

公明党の厚生労働部会(伊佐進一部会長)は7日、武見敬三厚生労働相に令和7年度予算概算要求に向けた重点政策提言を提出した。

提言は、7年度予算概算要求に向けて、①物価高に負けない賃上げ支援、労働市場改革等②こども・子育て支援③全世代型社会保障の構築④一人一人が生きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現─を重点政策に位置づけ、所要の予算の確保に努めるよう要望した。

このうち、③は、社会保障費の歳出目安について、賃金・物価上昇分を目安対応の別枠とするなど、賃金・物価上昇局面においても社会保障機能を維持するために必要な対応を確実に行うことと明記。

他方、高額薬剤の保険適用等による医療費の高額化を見通し、高額な医療費の発生による健保組合財政等の影響を緩和するため、必要な措置を検討するよう訴えた。

国民皆保険制度を維持していくため、全世代で支えあう医療保険制度の構築を図るとともに、高齢者医療の拠出金負担軽減への財政支援を行うよう要望。

また、後期高齢者医療制度は現役並み所得の後期高齢者にかかる医療給付費について公費負担が行われていないため、現役世代に対する過重な負担となっていると指摘し、現役世代の負担を軽減する観点から、公費投入を含む後期高齢者医療制度における給付と負担のあり方を検討すべきとした。

政府の「こども未来戦略」等を踏まえた出産・子育ての安心につながる環境整備に向け、健保組合等が職域で取り組む出産・子育て支援や女性の健康づくりに対する財政支援のあり方を検討するよう提言。また、医療DXの推進や就労する高齢者の健康増進等の新たな政策課題に取り組む健保組合等に対する財政支援を行うよう求めた。

企業と連携したコラボヘルス等に重要な役割を担っている健保組合等の医療保険者が、保険者機能を十分に発揮できるよう、必要な支援を行うことと明記。

費用対評価制度の見直しに当たっては、患者の視点から、より適切な薬剤選択に資するものとしつつ、十分なエビデンスがないなかで保険償還の是非判断に用いることなく、イノベーションを阻害しないよう配慮する必要があるとした。

電子カルテ情報共有サービスを含む全国医療情報プラットフォームの運用費用は、普及するまでの間、国が負担するなど基盤整備期間中は国が必要な財政支援を行う対応を盛り込んだ。

次期年金制度改正に向け、被用者保険のさらなる適用拡大を実現する際には、事業所における事務負担や経営への影響、保険者の財政や運営への影響等に留意し、必要な配慮措置や支援策のあり方について検討を行うべきとした。

②は、今年度から開始した「出産なび」を活用し、出産費用だけでなく、産前・産後を含めた妊産婦にとって必要な情報を「見える化」し、妊産婦が安心して出産・子育てをできる環境を整備するよう要望。その効果等の検証を行い、出産(正常分娩)の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等の在り方を検討する必要があるとした。

他方、8年度から開始される「子ども・子育て支援金」について、医療保険者の徴収・納付事務等において必要なシステム改修等に関する費用に対し、財政支援を行うよう求めた。

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