健保ニュース
健保ニュース 2024年7月中旬号
支払基金が5年度診療報酬を確定
前年度比 件数3%増、金額4%増
健保組合の金額は4.8%増
社会保険診療報酬支払基金(神田裕二理事長)は6月25日の記者会見で、令和5年度の診療報酬確定状況を公表した。件数は前年度比3.4%増の13億476万件、金額は同3.7%増の14兆9338億円に上昇。新型コロナウイルス感染症が流行する前の元年度に比べ、件数は13.5%、金額は15.1%それぞれ増加した。医療保険の金額は前年度比4.6%増(元年度比16.4%増)の12兆181億円で、コロナ禍前と比較しても伸びが大きい。健保組合は件数が同7.9%増の3億7396万件、金額が同4.8%増の4兆1061億円となり、金額はコロナ禍前に比べ16.1%増加した。
5年度の診療報酬確定状況をみると、確定件数は前年度比3.4%増の13億476万件に増加した。新型コロナウイルス感染症が流行する前の元年度と比較しても13.5%増えている。
制度別では、インフルエンザの流行により、医療保険が元年度に比べ11.3%増、各法が同22.8%増加したことで、全体で同13.5%の増加となった。
診療種別では、医科を除き、歯科、調剤、食事・生活療養費(再掲)、訪問看護とも前年度に比べ増加し、元年度比では、食事・生活療養費(再掲)を除くすべての項目で増加となった。
他方、確定金額は、前年度比3.7%増の14兆9338億円に増加し、元年度と比較すると15.1%上昇。コロナ関連点数を除いた場合は前年度比6.7%増、元年度比11.7%増となる。
診療種別では、元年度比の食事・生活療養費を除いていずれも増加した。金額の増加要因について支払基金は、医科入院は入院基本料や特定入院料、腫瘍用薬をはじめとする医薬品の増加と説明。医科入院外は初診料の算定回数増加や、投薬・注射、検査・病理診断の増加をあげた。
確定状況の制度別の内訳は、医療保険で件数が前年度比7.5%増(元年度比11.3%増)の10億3155万件、金額が同4.6%増(同16.4%増)の12兆181億円。確定金額は、コロナ禍前と比較して大きく伸びている。
確定件数は、▽健保組合(前年度比7.9%増の3億7396万件)▽協会けんぽ(同4.8%増の5億1936万件)▽船員保険(同3.8%増の132万件)▽共済組合(同17.5%増の1億3691万件)─で、協会けんぽ分が半数超を占めている。
確定金額は、▽健保組合(同4.8%増の4兆1061億円)▽協会けんぽ(同2.4%増の6兆4174億円)▽船員保険(同0.2%増の185億円)▽共済組合(同15.3%増の1兆4762億円)─。健保組合は被扶養者(同4.1%増)に比べ被保険者(同5.6%増)の伸びが大きく、コロナ禍前の元年度と比較しても16.1%増加している。
診療種別の内訳をみると、医科は、件数が前年度比1.2%減(元年度比11.3%増)の6億7708万件、金額が同1.6%増(同13.3%増)の10兆3256億円。
歯科は件数が同4.2%増(同9.2%増)の1億6678万件で金額が同3.4%増(同12.8%増)の1兆3547億円、食事・生活療養費は件数(再掲)が同1.3%増(同4.9%減)の795万件で金額が同0.4%増(同9.3%減)の942億円、訪問看護療養費は件数が同16.1%増(同81.9%増)の330万件で金額が同20.3%増(同103.3%増)の1929億円だった。
健保組合の診療種別をみると、医科は件数が同6.7%増の1億9233万件で金額が同2.9%増の2兆7874億円、歯科は件数が同3.2%増の5253万件で金額が同2.9%増の4457億円、調剤は件数が同11.8%増の1億2871万件で金額が同12.4%増の8443億円、食事・生活療養費は件数(再掲)が同3.9%増の191万件で金額が同2.5%増の84億円、訪問看護療養費は件数が同15.6%増の39万件で金額が同16.3%増の203億円となる。
協会けんぽは、▽医科(件数同3.6%増の2億7021万件、金額同0.9%増の4兆4778億円)▽歯科(件数同2.1%増の7079万件、金額同1.3%増の6290億円)▽調剤(件数同7.9%増の1億7779万件、金額同8.4%増の1兆2622億円)▽食事・生活療養費(件数同2.4%増の330万件、金額同0.7%増の170億円)▽訪問看護療養費(件数同13.5%増の56万件、金額同15.5%増の314億円)─だった。