健保ニュース
健保ニュース 2024年7月上旬号
政府が初の「こども白書」
異次元の少子化策 スピード感持って実行
政府は6月21日の閣議で、令和6年版の「こども白書」を決定した。
これまでの少子化社会対策、子ども・若者育成支援推進、子どもの貧困対策の推進の3分野にかかる白書を「こども白書」に一本化。6年版が初回となる。
「こども白書」は、こどもをめぐる状況と政府が講じたこども施策の実施状況を報告。こども施策では、「次元の異なる少子化対策」を特集し、経済成長の実現と少子化対策の強化を車の両輪として、スピード感を持って実行していくとした。
4年の出生数は過去最少の77万759人で、80万人を割り込み、合計特殊出生率も過去最低となる1.26に落ち込んだ。4年の婚姻件数は50万4930組で、前年に比べ3792組増えた。夫婦の完結出生児数は、1.90人(令和3年)に減少。夫婦の理想的なこどもの数は2.25人(同)、夫婦が実際に持つつもりのこどもの数は2.01人だった。
予定こども数が理想こども数を下回る夫婦における、理想こども数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が52.6%と最も多く、次いで、「高年齢で産むのはいやだから」(40.4%)、「欲しいけれどもできないから」(23.9%)などと続く。
子育てについて、「社会において、共働き・共育てが推進されている」と思う人の割合は約3割、「結婚、妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっている」と思う人の割合は3割弱だった。
「こども白書」では、次元の異なる少子化対策について特集し、「こども未来戦略」や「こども・子育て支援加速化プラン」のポイントを紹介した。
今後の政府の取り組みとして、「政策の内容の充実を検討し、内容に応じて、社会全体でどう支えるか、あらゆる選択肢を視野に入れてさらに検討する」と明記。経済成長の実現と少子化対策の強化を車の両輪として、スピード感を持って実行していくとした。
このほか、「こども白書」は、こども家庭庁が実施した「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」の結果から読み取れる日本の特徴を紹介した。
日本のこども・若者の特徴として、▽自分自身に満足していると回答した者の割合が前回調査時からは改善しつつも、他国と比べ低い▽自分自身への満足度を高める以外にも、家庭生活・地域・自国社会・学校生活・友人関係といった幅広い対象に対する満足度をそれぞれ高めることが生活満足度の向上に寄与する可能性がある─などが明らかになったとした。