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健保ニュース 2024年7月上旬号

保険料算定への金融所得勘案
自民PT 被用者保険に大きな課題

自民党の社会保障制度調査会(加藤勝信会長)医療・介護保険における金融所得の勘案に関するPT(同座長)は6月18日に会合を開催し、社会保険料における金融所得の取り扱いについて議論した。

この日の会合では、厚生労働省が被用者保険(健康保険)における金融所得勘案の課題等を説明。

被用者保険の保険料の算定において金融所得を勘案する場合、▽事業主と被用者の両者が保険料を負担しリスクを分散してきた従来の被用者保険制度からの大きな転換▽金融所得以外にも、原稿料等の一時的な収入や不動産収入等があるなか、金融所得だけを保険料賦課の対象とすることへの理解▽事業主が賃金以外の収入を把握することは難しく、給与からの天引きが困難となる▽現行制度に則った場合、賃金以外の収入に係る保険料負担を事業主にも転嫁することとなる─など、制度の趣旨や実務等の観点から課題が大きいとした。

このほか、確定申告の有無による窓口負担割合、保険料額の現状の取り扱いの差や、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険における保険料賦課事務の現状、諸外国の医療保険制度における金融所得の勘案状況などの説明があった。

議員からは、「不公平を是正する観点からの説明が必要」との発言や、事務負担コストの見込みを示すよう求める意見があったほか、他の資産へのシフトを懸念する声が上がった。

加藤座長は、「金融所得の勘案には様々な課題があり、厚労省を中心に、関係各省庁間で丁寧に検証を深めてほしい」と言及。

特に、対象となる国民の規模や、金融所得の額など、全体を見ながら議論を進める必要があるとして、政府における検討を求めた。

本PTは今後、今回の議論を踏まえて検討を進め、来秋を目途に次回の会合を開催することとした。

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