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健保ニュース 2024年6月下旬号

子ども・子育て支援法公布
8年度から保険者に支援金納付義務

厚生労働省は12日付で、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」の公布について(保発0612第1号)をこども家庭庁との連名で健保組合理事長宛て通知した。

令和5年12月に閣議決定した「こども未来戦略」の「加速化プラン」に盛り込まれた施策を着実に実行するため、子育てにかかる経済的支援の強化、こども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進に資する施策の実施とともに、子ども・子育て支援特別会計を創設し、児童手当等に充てるための「子ども・子育て支援金制度」を創設することを目的とする。

支援金制度創設により、8年度から毎年度、健康保険者等から支援納付金を徴収し、健康保険者等は、支援納付金を納付する義務を負うことと規定した。

合わせて、支援納付金を充当する対象費用を規定。▽妊婦支援給付金の支給▽乳児等支援給付費及び特例乳児等支援給付費の支給▽児童手当▽雇用保険法に規定する出生後休業支援給付金及び育児時短就業給付金▽国民年金第1号被保険者の育児期間中保険料免除分に相当する額▽子ども・子育て支援特例公債等の償還金の償還金や利子、子ども・子育て支援特例公債等の発行及び償還に関連する経費─に要する費用のうち、国の負担分を除いた部分と限定した。

また、支援納付金の徴収については、毎年度、概算額で徴収する取り扱いが示された。徴収年度の前々年度の概算額が当該年度の確定額を超えるときは、徴収年度の概算額から該当額と調整額との合計額を控除。徴収年度の前々年度の概算額が当該年度の確定額を下回るときは、徴収年度の概算額に該当額と調整額との合計額を加算する。

各年度の概算額および確定額は、健康保険者等の区分に応じて、支援納付金の算定対象費用額から、それぞれ定める按分方法で算定される。

支援金納付額等は、毎年度、国が通知し、支援納付金の未納に関しては、督促を行っても未対応の場合には、国税滞納処分の例により支援納付金および延滞金を徴収することができる扱いとした。その際、督促にかかる支援納付金の額につき年14.5%の割合で、納付期日の翌日から完納または財産差し押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。

また、支援納付金の徴収や督促、延滞金の徴収の事務は、社会保険診療報酬支払基金が行う。

なお、「加速化プラン」の実施施策に必要となる費用は、国および地方公共団体の歳出の抑制や見直し、少子化施策に充当する消費税収入、一般事業主から徴収する拠出金、加速化プラン実施施策にかかる社会保険料の収入ならびに支援納付金にかかる財源により賄われる。

このなかで、一般事業主から徴収する拠出金のうち、「満3歳未満保育認定子どもにかかる施設型給付費等負担対象額」に対する拠出金充当割合の上限を50分の11に引き上げるとともに、拠出金率の上限を1000分の4.0に引き下げる。

このほか、健康保険法の一部を改正し、保険者等が保険料を徴収して充てる健康保険事業に要する費用に、支援納付金の納付に要する費用を追加。

標準報酬月額等に一般保険料率と子ども・子育て支援金率とを合算した率を乗じて得た額を一般保険料等額とした。支援金率は、政令で定める率の範囲内において、健康保険の保険者が定める規定となるが、被用者保険間の按分は総報酬割であることを踏まえ、実務上は、国が一律の支援金率を示す運用方針が示されている。

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