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健保ニュース 2024年6月中旬号

規制改革推進会議が「答申」
標榜可能診療科名 「総合診療科」を追加

政府の規制改革推進会議(冨田哲郎議長)は、5月31日に会合を開き、規制改革推進に関する「答申」を取りまとめた。

具体的な規制改革項目として、医療分野では、標榜可能な診療科名に「総合診療科」を追加することを令和6年度に検討し、7年に結論を得る措置などを明記。実現に向けて、政府が近く閣議決定する「規制改革実施計画」に反映する。

岸田文雄首相は、「規制改革は、社会課題の解決と成長の双方をめざす、新しい資本主義の実現に向けた重要な取り組み」と言及。すべての国民が豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会をめざし、改革の実現に向けて取り組むよう関係大臣に指示した。

「利用者起点の社会変革」を副題とする「答申」は、「健康・医療・介護」の具体的な規制改革項目として、①デジタルヘルスの推進②医療職・介護職間のタスク・シフト/シェア等③医療・介護等分野における基盤整備・強化─を掲げた。

このうち、①は、近年、コロナ禍における取り組みを経て、国民のライフスタイルや健康に対する価値観の変化に伴い、健康・医療・介護分野におけるニーズが多様化していると指摘。デジタル技術の更なる活用に向けて、▽身近な場所でのオンライン診療の更なる活用・普及▽デジタル技術を活用した新たな医薬品販売業の実現─などの措置を講ずるよう明記した。

「身近な場所でのオンライン診療の更なる活用・普及」は、適切なオンライン精神療法の普及を推進するために、新たな指針を策定・公表する際、初診・再診ともにオンライン精神療法がより活用される方向で検討を6年から開始し、7年までに所要の措置を講ずるよう厚生労働省に要請。

また、新たに策定・公表する指針を踏まえ、オンライン診療の更なる普及・促進を通じた患者本位の医療を実現するため、オンライン診療における精神療法の診療報酬上の評価の見直しを7年度に検討し、所要の措置を講ずるよう求めた。

③は、「患者本位・利用者本位」の医療・介護等を実現するためには、利用者起点に立ち、将来を見据えつつ、個々の分野ごと、あるいは、分野横断的に、デジタル化や各制度の規制調和・環境の整備・強化が重要との考えを示し、▽患者本位のプライマリ・ケアの体制整備▽スイッチOTC化の加速─などの措置を盛り込んだ。

「患者本位のプライマリ・ケアの体制整備」は、どの診療科を受診すべきか分からない患者が、日常的に頻度が高く、全人的に提供する総合診療を担う医師の受診を希望する場合があり、こうした医師へのアクセスの確保・円滑化を求める声があると指摘。

特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者等が総合診療を担う医師の受診を希望する場合の医療へのアクセスを円滑化する観点から、医学医術に関する学術団体の意見を踏まえつつ、標榜可能な診療科名に総合診療科を追加することについて、6年度に検討を開始し、7年に結論を得る対応を厚労省に要請。

また、「スイッチOTC化の加速」は、日本に比べスイッチOTC化が進んでいる海外のスイッチOTC化の承認審査制度と運用状況、スイッチOTC化の課題およびその解決策の検討・実施の状況を調査したうえで、スイッチOTC化の促進に実効的な対応策を7年中に検討し、必要に応じて8年度まで継続的に措置を講ずるよう求めた。

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