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健保ニュース 2024年6月中旬号

公明党が骨太方針に向け「提言」
現役世代の負担軽減へ 高齢者制度改革や健保支援
岸田首相に要望を申し入れ

公明党は、「経済財政運営と改革の基本方針2024等に向けた提言」を取りまとめ、5月30日に岸田文雄首相に申し入れを行った。

「提言」は、①成長型経済の実現②こども・子育て支援、教育、文化芸術・スポーツ③社会保障等④防災・減災、国土強靭化、大規模災害からの復旧・復興⑤外交・安全保障、国際平和・SDGsへの貢献⑥その他─を柱とし、骨太方針2024等の策定にあたって、必要な予算を確保するとともに、国民の信頼に足る政治のかじ取りを要望。

このなかで、③は、国民皆保険制度を維持していくため、全世代で支えあう医療保険制度の構築を図るとともに、高齢者医療の拠出金負担軽減に対する財政支援を求めた。

さらに、後期高齢者医療制度は現役並み所得の後期高齢者にかかる医療給付費について公費負担が行われておらず、現役世代に対する過重な負担となっていること等を踏まえ、現役世代の負担軽減の観点から、公費投入を含め、後期高齢者医療制度における給付と負担のあり方を検討するよう要望。

医療DX等の新たな政策課題に取り組む健保組合等に財政支援を行う対応も盛り込んだ。
 また、企業と連携したコラボヘルスに健保組合等の医療保険者は重要な役割を担っているとして、その保険者機能が発揮されるよう必要な支援を訴えた。

「賃金・物価上昇分を含めた社会保障関係予算の確保」を最重点項目とし、社会保障費の歳出の目安については、賃上げの状況や物価の動向等を踏まえて、賃金・物価上昇分を目安対応の別枠とするなど、賃金・物価上昇局面でも社会保障機能を維持するために必要な対応を行うよう提言。

薬価の中間年改定に関しては、▽医薬品の供給不安への対応の必要性▽物価高騰等の影響▽さらなるイノベーションの推進─といった医薬品を取り巻く環境が制度の導入当時から変化していることを踏まえ、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、あり方を見直すべきとした。

かかりつけ医機能が発揮される制度整備は、「かかりつけ医機能報告」について、国民・患者の目線に立って必ず診療が受けられ、必要に応じ専門医療機関につなぐ機能の有無を項目として追加するなど、具体化を進め着実に施行することを求めた。

今年12月2日の健康保険証の発行終了とマイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けて、マイナ保険証の利用を促進することと明記。資格確認書の運用にあたって、合理的かつ効率的なものとするとともに、必要な支援を行うべきとした。

②は、「出産費用(正常分娩)の保険適用の導入を含めたさらなる支援等の検討」を最重点項目とし、保険適用の導入検討にあたって、自己負担を伴わない実質無償化を訴えた。

「こども・子育て支援加速化プラン」の財源確保に向けた2028年度までの歳出改革の徹底と既定予算の最大限の活用等を国民に分かり易く示しながら着実に実行するよう要望。

「加速化プラン」により、▽子育て世帯には拠出以上のメリットが確実にある▽全世代・全国民には社会保険制度の持続可能性が高まることで恩恵をもたらす▽そうした理念を軸にした新しい分かち合い・連帯の仕組みが支援金制度である─ことなどに対し、国民理解を広げる取り組みに努めるべきとした。

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