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健保ニュース 2024年5月下旬号

介護保険・第9期事業計画期間
第1号保険料 月額・全国平均6225円
高齢化と報酬改定要因に増加

厚生労働省は14日、令和6~8年度の第9期介護保険事業計画期間に65歳以上の高齢者が負担する介護保険料(第1号保険料)を集計し、全国平均で月額6225円となることを発表した。

3~5年度の第8期(6014円)と比べ、211円、3.5%増加。
 増加した要因について厚労省は、高齢化の進展と6年度の介護報酬改定(プラス1.59%)の影響と説明した。平成12年度の制度開始から25年目を迎え、制度創設時の保険料(2911円)の2倍を超える。

介護保険のサービス量の見込みは、令和8年度(第9期最終年度)には在宅介護、居住系サービス、介護施設のいずれも5年度(第8期最終年度)の実績値と比べ5~11%程度増加。高齢化がピークに達すると考えられている22(2040)年度には同じく22~28%程度増える。

介護保険制度の保険者である市町村は、3年を1期とする介護保険事業計画を策定し、3年ごとに見直している。保険料は、同計画に定めるサービスの見込み量などにもとづき、3年間を通じて財政の均衡を保つよう設定される。

市町村ごとの第8期からの保険料の推移は、▽引き上げ712市町村(全体の45.3%)▽引き下げ276市町村(同17.5%)▽据え置き585市町村(同37.2%)─だった。引き上げた市町村の割合は、前期(同48.6%)と比べ3.3ポイント減少した。

最も高い保険料は大阪府大阪市の9249円で、次いで、大阪府守口市の8970円、大阪府門真市の8749円の順。大阪府の保険者が上位を占めた。

最も低いのは東京都小笠原村の3374円で、北海道音威子府村と群馬県草津町の3600円、宮城県大河原町の4000円と続いている。保険料を最高と最低で比べると約2.7倍の格差がある。

都道府県別にみると、最高は大阪府の7486円(対前期伸び率9.7%増)で、次いで沖縄県の6955円(同1.9%増)。最低は山口県の5568円(同2.2%増)で、以下、茨城県の5609円(同2.3%増)と続く。最高と最低の差額は1918円で、前期(1441円)より拡大した。

第1号被保険者数は、5年度の3588万人から、第9期は6年度に3603万人(5年度比0.4%増)、7年度に3607万人(同0.5%増)、8年度に3608万人(同0.6%増)となり、22年度に3806万人(同6.1%増)と推移する見込み。

5、8、22年度の介護サービス量は、▽在宅介護が5年度381万人、8年度407万人(5年度比7%増)、22年度465万人(同22%増)▽居住系サービスが同49万人、同54万人(同11%増)、同63万人(同28%増)▽介護施設が同103万人、同108万人(同5%増)、同126万人(同22%増)─と推計され、いずれのサービスも22年度には20%以上増加する見込みとなっている。

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