健保ニュース
健保ニュース 2024年5月合併号
花粉症治療薬や保湿剤など
長期収載品保険範囲縮小 1095品目が対象
厚生労働省は、令和6年10月1日から施行・適用する長期収載品の処方等または調剤にかかる選定療養の対象医薬品リストを作成し、公表した。
6年10月以降、長期収載品の保険給付のあり方の見直しとして、選定療養の仕組みを導入し、後発品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とする。
患者が選定療養として負担する額は長期収載品と後発品の価格差の4分の1となり、長期収載品が500円で後発品が150円と250円のケースでは、患者の負担額(3割負担)はそれぞれ70円、50円増える。
対象医薬品は、▽後発医薬品のある先発医薬品であること▽後発品が初めて薬価基準に収載されてから5年を経過した品目、または5年を経過しない品目のうち後発品置換率が50%以上▽長期収載品の薬価が後発品のうち最も薬価が高いものの薬価を超えていること─をすべて満たす1095品目(445成分)。
具体的には、▽湿布薬「モーラステープ(成分名ケトプロフェン)」▽ビタミン剤「ハイボン(同リボフラビン酪酸エステル)」▽保湿剤「ヒルドイド(同ヘパリン類似物質)」▽花粉症治療薬「アレグラ(同フェキソフェナジン塩酸塩)」▽うがい薬「イソジン(同ポピドンヨード)」─などが対象薬となった。
銘柄名処方の場合で患者希望により長期収載品を処方・調剤した場合や、一般名処方の場合は、選定療養の対象とする。
一方、医師が銘柄名処方を行ったなど、医療上の必要性があると認められる場合や、薬局に後発品の在庫がないなど後発品を提供することが困難な場合は選定療養の対象とせず、引き続き、保険給付の対象とすることとなっている。
なお、政府は、薬剤自己負担の見直し項目である▽薬剤定額一部負担▽薬剤の種類に応じた自己負担の設定▽市販品類似の医薬品の保険給付のあり方の見直し─について、引き続き検討を行う方針を示している。