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健保ニュース 2024年4月中旬号

後期高齢者医療費の窓口負担
武見厚労相 応能負担の考えで基準検討

武見敬三厚生労働相は2日、社会保障および労働問題等に関する調査を審議した参院厚生労働委員会(比嘉奈津美委員長)で、後期高齢者にかかる医療費の窓口負担を一律3割に引き上げることに慎重な考えを示す一方、現役世代における負担のあり方を踏まえ、応能負担の観点から高齢者にかかる負担の基準を検討していると言及した。猪瀬直樹氏(日本維新の会)への答弁。

猪瀬氏は、「日本維新の会は、高齢者医療制度における窓口負担を現役世代と同じ3割とする見直しを提言している」との方針を示し、高齢者医療費にかかる負担のあり方を質した。

武見厚労相は、「少子高齢化が進展し、高齢者の医療費が増加するなかで、医療保険制度を持続可能なものとしていくことが重要な課題として浮上してきた」との認識を示したうえで、「高齢者にも能力に応じ医療費の一部を自己負担する必要性が確実に出てきている」と発言。

これに対し、猪瀬氏は、「令和4年10月に導入した後期高齢者の一部2割負担は過渡的な措置であり、原則3割負担を考えているのか」と重ねて確認した。

武見厚労相は、「所得が低く、罹患率や医療費が高くなる後期高齢者にとって間違いなく負担増となり、必要な受診も抑制されるおそれもあることから、一律3割負担とすることには慎重な考え方を持っている」と応答。

一方、「現役世代が加入する保険者からの後期高齢者支援金等の負担が増加しており、改めて現役世代の負担をこれ以上増やさないようにする工夫がさらに必要」と強調したうえで、「高齢者にも応能負担の観点から新たに2割負担を導入し、さらに3割負担のあり方も考え、この基準の検討をしているところだ」と言及し、理解を求めた。

猪瀬氏は、「3割負担はしばらく待つにしても、2割負担は原則とした方が良い」と主張したほか、「窓口負担の増加に伴う受診者の行動変化の調査研究を行うべき」と指摘。

武見厚労相は、「負担の上昇による受診効果や健康評価への影響など、厚労科研費を通じて調査しているところであり、その一部が6月頃に報告される」と応じた。

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