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健保ニュース

健保ニュース 2024年4月上旬号

通常承認後のゾコーバ錠・薬価
中医協 現行の薬価を据え置き

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は、3月22日の総会で、通常承認された新型コロナウイルス感染症治療薬の「ゾコーバ錠」の薬価を緊急承認時から変更しないことを了承した。

合わせて、「ゾコーバ錠」にかかる薬価収載後の価格調整(市場拡大再算定)について、対象疾患の特性を踏まえたルールを今後も継続することとした。

令和4年11月22日に緊急承認された「ゾコーバ錠」については、通常承認後、当該承認にかかる審査の結果等を踏まえ、改めて本剤の薬価を検討することが求められていた。

「ゾコーバ錠」は、6年3月5日に通常承認を取得したが、承認事項(効能・効果、用法・用量)が緊急承認時と同じであることに加え、比較薬の薬価や臨床上の位置づけも変化がないことから、薬価算定組織は薬価収載時の算定方法にもとづき対応することが妥当であり、現行の薬価と同額とすることが適切と判断。

緊急承認時と同様に、「ラゲブリオカプセル200㎎(モルヌピラビル)」と「ゾフルーザ錠20㎎(バロキサビル マルボキシル)」を最類似薬として、2剤の1治療薬価の平均値7407.40円を薬価とし、1治療当たり薬価は5万1851.80円となる。

収載時におけるピーク時の市場規模は37万人、192億円とした緊急収載時の予測を踏襲。費用対効果評価も「H1(市場規模が100億円以上)」に継続して該当し、評価中とした。

他方、「ゾコーバ錠」の薬価収載後の価格調整(市場拡大再算定)については、依然として感染が継続している状況や本剤の審査結果等を受け、年間販売額の推計や引き下げ率の上限など、対象疾患の特性を踏まえたルールを今後も継続することとした。

健保連の松本真人理事は、「今回の取り扱いは、ゾコーバ錠に限った対応であり、今後の緊急承認時に判断が変わった場合は対応が異なることに留意すべき」と指摘した。

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