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健保ニュース 2024年4月上旬号

令和6年度の総合組合予算概要
過去最大2222億円の経常赤字
赤字組合は全体の95%超に

全国総合健康保険組合協議会(会長・高井昌史出版健保組合理事長)は3月27日に開いた定例総会で、全国の総合組合の令和6年度予算概要を報告した。全総協会員242組合の6年度の経常収支差引額は、保険給付費や高齢者医療支援金・納付金の増加を要因に、過去最大の赤字となる2221億8851万9千円を計上。赤字組合は230組合に達し、全体の95%超を占める厳しい財政状況が露わになった。26組合が保険料率を引き上げ、平均保険料率は過去最高の9.8556%に上昇。協会けんぽ・平均保険料率の10%以上となる組合は103組合となり、全体の半数近くが限界域に達する。

平均保険料率は9.8556%

全総協会員242組合の6年度の経常収支差引額は合計2221億8851万9千円を計上した。

保険給付費や後期高齢者支援金の増大を要因に、前年度に比べ赤字幅は1億2924万7千円拡大。赤字組合は前年度から8組合増の230組合となり、全体の95%超を占めた。

保険料率を引き上げた組合は26組合で、平均保険料率は前年度比0.405ポイント増の9.8556%に上昇。協会けんぽの平均保険料率(10%)以上を設定する組合は103組合に達し、全体の約43%を占める。協会けんぽと同じ10%を設定する組合は44組合、10%超~10.5%未満が34組合、10.5%以上~11%未満が19組合、11%以上が6組合となった。

会員組合の適用状況をみると、被保険者数は同1.80%、11万9475人増の675万7976人。平均標準報酬月額は同1.68%、6055円増の36万7229円、平均標準賞与額は同3.67%、3万402円増の85万9066円の上昇を見込む。

6年度予算の経常収入は、保険料率の引き上げや適用状況を反映して増収となった。収入の主要を占める保険料収入は同5.49%、1727億8410万円増の3兆3215億971万4千円を計上。

国庫負担金や特定健診等事業収入などを合わせた経常収入総額は同5.57%、1764億2595万1千円増の3兆3458億7897万7千円となる。

保険給付費が6.4%増
納付金は3.9%増に

経常支出総額は、同5.21%、1765億5519万8千円増の3兆5680億6749万6千円。納付金は同3.92%、541億9756万7千円増の1兆4365億4618万4千円となった。このうち前期高齢者納付金は同3.77%、221億9145万3千円増の6100億6217万6千円、後期高齢者支援金は同4.02%、319億2953万5千円増の8262億9303万6千円。

義務的経費に占める拠出金負担割合は同1.32ポイント減の43.44%に低下したが、依然、半分近くを占める高い負担水準となっている。

保険給付費は同6.44%、1146億4119万9千円増の1兆8948億2666万4千円で、法定給付費が同6.39%増、1124億2789万6千円増の1兆8705億4584万2千円。前年度に引き続き、6%を超える伸び率となった。

介護保険料率
平均で1.7545%

全総協はこの日、令和6年度の介護保険収支の予算概要も明らかにした。会員242組合の介護保険料率の平均は、前年度比0.146ポイント減の1.7545%に低下した。

会員組合の介護保険第2号被保険者数は前年度と比べ1.81%、7万8708人増の443万1671人で、平均標準報酬月額は41万3745円(前年度比4960円増)、平均標準賞与額は94万9864円(同1万1421円増)だった。

なお、この日の全総協総会では、高井会長の冒頭あいさつに続いて、厚生労働省保険局の山下護保険課長、健保連の佐野雅宏副会長が来賓あいさつした。

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