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健保ニュース 2024年3月下旬号

柔道整復療養費の令和6年改定
物価高騰対応に 初検料引き上げを提案
明細書交付義務化対象は拡大

社会保障審議会医療保険部会柔道整復療養費検討専門委員会(遠藤久夫座長)は18日、会合を開き、柔道整復療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について議論した。

この日の会合では、厚生労働省が、①明細書交付義務化対象の拡大等②物価高騰への対応③患者ごとに償還払いに変更できる事例の追加─から成る「基本的な考え方」を提案した。

このうち、①は、明細書交付義務化対象施術所の範囲について、現行の「明細書発行機能が付与されているレセプトコンピュータを使用し、常勤職員が3人以上の施術所」から「明細書交付機能が付与されているレセプトコンピュータを設置している施術所(施術所の約90%が対象)」に拡大する。

交付(交付回数)の拡大等については、「患者から一部負担金等の費用の支払いを受けるごとに交付することが原則。ただし、患者の求めに応じて1か月単位でまとめて交付することも差し支えないこと」とする現行規定を継続する対応を提案。

また、改定財源の範囲内で、「明細書発行体制加算(現行は月1回13円)」の算定回数拡大と算定額を検討するとした。

②は、現下の物価高騰や他産業における賃上げの状況、診療報酬改定における賃上げへの対応、医療DXの推進等の観点を踏まえ、現行の「電療料(電気光線器具を使用した場合、1回につき30円加算)」と「初検料(1520円)」を改定財源の範囲内で引き上げる対応を提案した。

③は、現行の償還払いに移行できる患者4類型に「非常に長期にわたり、かつ、非常に頻度が高い施術を受けている患者」を追加する対応を検討。

対象範囲は現行の患者照会における患者の選定基準(3か月を超えて1月あたり10回以上の施術を継続して受けている患者)を基本としつつ、さらに長期(5~7か月超)かつ頻回(10~19回以上)な施術を継続して受けている患者を対象とする3つのケースも示した。

健保連の幸野庄司参与は、①の明細書交付義務化対象施術所の範囲拡大を評価する一方、交付(交付回数)について、患者の希望の有無にかかわらず、毎回発行するよう求めた。

②の物価高騰への対応については、「医科で基本診療料に上乗せした令和6年度診療報酬改定に準じた考え方とするならば明確に反対する」と強調。

そのうえで、「施術所と保険医療機関では収入構造等の前提が異なり、基本料の初検料に財源を充てるのは乱暴だ」と指摘し、「明細書発行体制加算の負担軽減などに財源を充てる考え方の方が納得感のある改定になる」との認識を示した。

③は、4年改定時の議論で厚労省が提案した「3か月を超えて1月あたり10回以上の施術を継続して受けている患者」について、償還払いに変更できる対象とする検討を要望した。

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