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健保ニュース 2024年3月下旬号

地域医療構想の進め方を議論
2025年へ 厚労省が支援策提示

厚生労働省の「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」(座長・尾形裕也九州大学名誉教授)は13日、2025(令和7)年に向けた地域医療構想の進め方を議論した。

厚労省は、2025年における「病床機能報告上の病床数」と「地域医療構想で推計した病床数の必要量」との間で大きな乖離が残っている構想区域があることを踏まえ、国・都道府県・医療機関それぞれが取り組む事項を明確化するとともに、国による積極的な支援の実施を提案。構成員から大きな異論は出なかった。

国・都道府県・医療機関の取り組みの内容は、通知に落とし込み3月中に発出する予定としている。

この日の会合に厚労省が提案した主な取り組み事項は、国は2023年度に通知を発出。2024年度前半に、都道府県当たり1~2か所の「推進区域」(仮称)を設定。このうち、全国で10~20か所を「モデル推進区域」(同)とし、2024~5年度にアウトリーチの伴走支援を実施する。

都道府県は2023年度に医療機関対応方針を協議。2024年度に推進区域の調整会議で医療提供体制上の課題、解決に向けた方向性および取り組み内容等を明記した「区域対応方針」を策定。2025年度にかけて、同方針を推進する。

医療機関は2023年度に医療機関対応方針を策定。これを2024~5年度に「区域対応方針」にもとづき検証・見直しを行いつつ取り組みを実施する。

地域医療構想が最終年としている2025年度には、国が「区域対応方針」の進捗状況の確認・公表を行うこととした。

このほか、国は▽地域別の病床機能等の見える化▽好事例の周知─などの積極的な支援を実施する。

構想区域で進捗に差異
幸野参与が懸念示す

厚労省は13日のワーキンググループに、地域医療構想の進捗状況の調査結果を報告した。
 それによると、2025年の「病床数の見込」と「病床数の必要量」に生じている差異を解析している区域は147区域だった一方、解析していない区域は192区域で過半数(全体の57%)を占めることがわかった。

差異を解析している区域において、データの特性だけでは説明できない差異が生じている区域(132区域)のうち、半数(68区域)は要因の分析および評価を行っていない。

健保連の幸野庄司参与は、地域医療構想の目標年度の2025年が迫るなか、調査結果から「半数の構想区域が、まだ差異の解析すらできていない」、「各区域の議論、進捗、深さに大きな足並みの乱れがあることは否めない」と問題視した。「2040年を見据えた新たな地域医療構想が検討テーマにあがっていることもあって、2025年が通過点と思われている」と懸念を示し、「2026年以降の新たな構想を策定するためにも、2025年までの取り組みは工程表のとおり完結しておく必要がある」と主張。3月に発出する通知で各都道府県が2025年までに実施すべき事項を徹底するよう求めた。

また、提案があった推進区域・モデル推進区域の取り組みを評価する一方、「再検証区域のようなイメージをもたれると逆効果になる」として、各都道府県において、根拠を示し丁寧な説明を行うよう慎重な取り扱いを要請。複数の委員からも同様の意見が出された。

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