健保ニュース
健保ニュース 2024年3月下旬号
武見厚労相が国会で所信表明
マイナ保険証の利用促進を先導
社保制度改革を着実に推進
武見敬三厚生労働相は8日の参院厚生労働委員会(比嘉奈津美委員長、自民)で、今通常国会における厚労行政の基本施策について所信を表明した。
医療DXの実現に向け、医療介護全般にわたる情報を共有・交換できる全国医療情報プラットフォームの創設、マイナポータルを活用した健診情報を自分自身で把握可能となる取り組みを進める方針を示した。
そのうえで、マイナ保険証を医療DXのパスポートと位置づけ、質の高い持続可能な医療の実現に必要不可欠と強調。12月2日から現行の健康保険証が発行されなくなることを見据え、厚労相自らが先頭に立ち、医療機関・薬局や保険者、経済界と一丸となってマイナ保険証の利用促進を図っていく決意を表明した。
社会保障制度改革では、すべての世代で能力に応じて負担し合い、必要な社会保障サービスが適切に提供される全世代型社会保障制度の構築を重視。昨年末に策定された改革工程に沿い、こども・子育て支援の充実や医療・介護制度の改革等に向けた取り組みを着実に進める考えを示した。
医療分野では、地域医療構想、医療従事者の働き方改革、医師偏在対策を一体的に進めるとともに、かかりつけ医機能が発揮される制度の令和7年4月施行に向け、検討を進めるとした。
健康政策では、4月から開始する健康日本21(第三次)を推進するほか、スマートフォンを通じて国民が保健医療情報を閲覧・活用できる仕組みを整備するなど、予防・健康づくりに取り組むと言及。事業主健診、産業保健体制の充実や、女性の健康・疾患の研究等に関するナショナルセンター機能の構築を含めた女性の健康支援に取り組むとした。
このほか、「年収の壁」を意識せずに希望どおり働くことのできる環境づくりを後押しする「年収の壁・支援強化パッケージ」について、引き続き積極的な周知広報に取り組む方針を示した。