健保ニュース
健保ニュース 2024年3月下旬号
子ども・子育て支援金制度
佐野副会長 国民の理解へ丁寧な説明を
こども家庭庁は、14日に開催された社会保障審議会医療保険部会に、政府が今国会に提出した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」を報告した。
同法案は、政府が昨年12月22日に閣議決定した「こども未来戦略」の「こども・子育て支援加速化プラン」に盛り込まれた施策を着実に実行するため、必要な措置を講じるとともに、児童手当等に充てるための「子ども・子育て支援金制度」を創設。
内容は、①「加速化プラン」で実施する具体的な施策②子ども・子育て支援特別会計(こども金庫)の創設③子ども・子育て支援金制度の創設─を柱とし、一部を除き令和6年10月1日に施行する。
このうち、③は、児童手当の拡充などに必要な費用に充てるため、医療保険者から「子ども・子育て支援納付金」を徴収。医療保険者が被保険者等から徴収する保険料に納付金の納付に要する費用(子ども・子育て支援金)を含める。歳出改革と賃上げで実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で8年度から10年度にかけ段階的に導入し、各年度の納付金総額を定めるとしている。
健保連の佐野雅宏副会長は、「同法案は少子化対策の推進と現役世代の負担軽減という2つの課題に応える内容とすべき」と言及したうえで、「子ども・子育て支援金」は医療保険料とは異なることや、負担への説明責任を国が果たすことを明確化するよう要望。
また、「子ども・子育て支援金制度」の創設にあたって、歳出改革の徹底等で現役世代の負担に配慮するとともに、支援金制度の理解推進に向けた国民に対する丁寧な説明を求めた。
前葉泰幸委員(全国市長会相談役・社会文教委員/津市長)も、「こども政策を医療保険の仕組みのなかで徴収していく仕組みに国民の理解を得るのは凄く大変なこと」との認識を示し、「それを医療保険者に委ねるのは全くの筋違い」と発言。
新たな仕組みへの理解促進など、国民に対する説明責任を果たすよう、こども家庭庁に強く訴えた。