健保ニュース
健保ニュース 2024年3月中旬号
後発品使用の医療費適正効果額
厚労省推計 年1兆6113億円に減少
バイオシミラー911億円に増
厚生労働省は5日の令和6年度薬価基準改定の告示に合わせ、後発医薬品の使用による医療費適正効果額が5年薬価調査ベースで年間1兆6113億円になるとの推計を明らかにした。医療費適正効果額は、4年薬価調査時から968億円減少した。
このうち、バイオ医薬品の後続品、バイオシミラーによる医療費適正効果額は前年比135億円増の911億円と推計。バイオシミラーのあるバイオ医薬品に対するバイオシミラーの金額割合は34.3%で、前年と比較し4.7ポイント増加した。
5年9月に実施した薬価調査の結果にもとづき、すべての後発品の流通量から仮想の先発品取引額と実際の後発品取引額の差を後発品への置き換えによる医療費適正効果額として計算した。
過去の推計では、後発品全体の医療費適正効果額は平成29年薬価調査ベース1兆2991億円、30年同1兆3987億円、令和元年同1兆6166億円、2年同1兆8619億円、3年同1兆9242億円、4年同1兆7081億円と推移。
バイオシミラーに限った医療費適正効果額は平成29年薬価調査ベース87億円、30年同146億円、令和元年同226億円、2年同418億円、3年同480億円、4年同776億円と上昇傾向で推移してきた。
他方、後発品の数量シェアは平成29年薬価調査時65.8%、30年同72.6%、令和元年同76.7%、2年同78.3%、3年同79.0%、4年同79.0%、5年同80.2%と推移。2年以降、数量シェアの伸びは鈍化し、医療費適正効果額も近年と比較すると減少傾向にある。