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健保ニュース 2024年2月下旬号

被用者保険の適用懇談会が初会合
今年夏頃 適用範囲を取りまとめ

厚生労働省は13日、「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」の初会合を開催し、今後の進め方を確認した。

懇談会の座長には、構成員の互選により菊池馨実氏(早稲田大学理事・法学学術院教授)を選出。今後、関係団体へヒアリングを実施したうえで、今年の夏頃に議論の取りまとめを行う。

懇談会の検討事項は、▽短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲▽個人事業所に係る被用者保険の適用範囲▽複数の事業所で勤務する者、フリーランス、ギグワーカーなど、多様な働き方を踏まえた被用者保険─とされている。

厚労省は、これらの事項について、労働者の就労実態、事業所や医療保険者に与える影響、過去の適用拡大施行時の状況等を踏まえた議論を求めた。

また、ヒアリングについて、①短時間労働者を多く雇用する業種の団体②個人事業所が非適用となっている業種の団体③多様な働き方に関連した活動を行う団体④労働者の団体─を対象に、▽労働者の就労の実態▽被用者保険の適用拡大の影響・課題▽働き方の多様化が進展することに伴う課題─について聴取するため実施するとした。

この日の会合では、各構成員が意見陳述を行った。このなかでは、複数の構成員が医療保険制度の財政影響を課題として指摘した。

健保連の秋山実理事は、社会保障制度維持のため担い手を増やしていくことが必要だとして、「さらなる短時間労働者の適用拡大や多様な働き方を検討することは総論として異論はない」と表明。そのうえで、適用拡大は卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などの健保組合が大きな影響を受けると指摘し、詳細な財政検証と必要な財政支援などを課題に挙げた。

他方、被扶養者認定について、昭和52年の通知で運用していることを踏まえ、「実態に見合った内容か、検討が必要」との考えを示した。

土井和雄構成員(全国商工会連合会中小企業問題研究所所長)は、適用拡大に対し、年金保険制度の枠組みで安易に考える論調があると指摘したうえで、医療保険制度の課題がより大きいと言及した。

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