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健保ニュース 2024年2月下旬号

8年度に支援金制度を創設
子ども子育て法 閣議決定し国会提出
全体の負担額は6000億円

政府は16日、子ども・子育て支援金を医療保険者が保険料と合わせて徴収する仕組みを盛り込んだ「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。法案は、▽加速化プランで実施する具体策▽こども金庫の創設▽支援金制度の創設─を柱とし、関連する児童手当法、健康保険法等を一括改正。一部を除き令和6年10月1日から施行する。支援金制度に伴う被保険者や事業主の負担額として、創設時の8年度は6000億円を目安とすると明示。実質的な負担が生じないことや全世代型社会保障の改革工程を推進することと合わせ、附則で経過措置・留意事項を定めた。

自民党の内閣第一部会(太田房江部会長)・「こども・若者」輝く未来創造本部(後藤茂之本部長)は8日の合同会議で、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」の法案審査を行い、部会長・本部長一任で了承した。

与党内の法案審査を進めた後、政府は同法案を16日に閣議決定し、予算関連法案として国会に提出した。

同法案は、政府が昨年12月22日に閣議決定した「こども未来戦略」の「こども・子育て支援加速化プラン」に盛り込まれた施策を着実に実行するため、必要な措置を講じるとともに、児童手当等に充てるための「子ども・子育て支援金制度」を創設。内容は、①「加速化プラン」で実施する具体的な施策②子ども・子育て支援特別会計(こども金庫)の創設③子ども・子育て支援金制度の創設─を柱とし、一部を除き令和6年10月1日に施行する。

①は、ライフステージを通じた子育てにかかる経済的支援を強化するため、▽支給期間を高校生年代▽所得制限を撤廃▽第3子以降の児童にかかる支給額を月額3万円▽支払月を年6回─とするなど、児童手当を抜本的に拡充。

②は、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定および労働保険特別会計の雇用勘定を統合し、子ども・子育て支援特別会計(こども金庫)を7年4月1日に創設する。

③は、少子化対策に受益を有する全世代・全経済主体が子育て世帯を支える新しい分かち合い・連帯の仕組みとして、医療保険の保険料と合わせて拠出する「子ども・子育て支援金制度」を8年4月1日に創設。

「子ども・子育て支援法」を改正し、児童手当や妊婦支援給付金などの支援納付金対象費用に充てるため、8年度より毎年度、「医療保険者から支援納付金を徴収すること」、「医療保険者は支援納付金を納付する義務を負うこと」を盛り込んだ。

医療保険者から毎年度徴収する支援納付金の額の算定方法等も定める。「子ども・子育て支援納付金」の総額を保険料負担に応じて按分。8、9年度の負担割合は、後期高齢者の8%に対し、現役世代は92%と9割超を占める。国民健康保険は加入者割、被用者保険の健保組合、協会けんぽ、共済組合は総報酬割で負担する。

さらに、同法の附則では、支援納付金の導入に当たっての経過措置・留意事項を定めた。支援納付金の総額のうち、被保険者や事業主が全体として負担する額は、8年度に6000億円、9年度に8000億円、10年度に1兆円を目安とする方針を示した。

合わせて、「全世代型社会保障改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、支援金制度の導入による社会保障負担率の上昇の効果がこれを超えないようにすること」と明記。また、政府が昨年12月22日に閣議決定した「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」を着実に進めることと定めた。

岸田文雄首相は、6日の衆議院予算委員会で、「こども・子育て支援金制度」の負担額について、令和10(2028)年度に加入者1人当たり月平均500円弱となる粗い試算額を明らかにし、法案審議までに政府として具体的な制度を整理する意向を示している。

健康保険法など医療保険各法も改正。医療保険者は、医療保険制度上の給付にかかる保険料や介護保険料と合わせ、「子ども・子育て支援金」を徴収する。

健康保険法の規定に、一般保険料率と区分して子ども・子育て支援金率を規定。子ども・子育て支援金率は、政令で定める率の範囲内で、保険者が定める(総報酬割であるため、実務上、国が一律の率を示す)とした。

医療保険制度の取り扱いを踏まえ、支援金の被保険者等への賦課・徴収の方法、国民健康保険等における低所得者軽減措置、医療保険者に対する財政支援等を定めることとした。

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