健保ニュース
健保ニュース 2024年2月下旬号
次回改定に向けた附帯意見
リフィル処方追加し28項目
中医協総会は7日、令和6年度診療報酬改定による影響の検証や次回改定に向けて積み残した課題など、28項目を盛り込んだ答申書附帯意見案を了承した。
賃上げや医療DX、入院・外来医療をはじめ、後発医薬品の使用促進や長期収載品における保険給付の見直しによる影響などを調査・検証し、評価のあり方や活用策について引き続き検討する対応を盛り込んだ。
また、健保連の松本真人理事の要望に応じ、長期処方やリフィル処方に関する事項が1月31日に提示された厚生労働省の素案から追加され、適切な運用について検討することとされた。
賃上げは、40歳未満の勤務医師、勤務歯科医師、薬局の勤務薬剤師、事務職員や歯科技工所で従事する者等についても賃上げの実態を適切に把握したうえで、検証を行うこととした。
医療DXは、6年12月2日から現行の健康保険証の発行が終了することを踏まえ、「医療情報取得加算」による適切な情報にもとづく診療の評価のあり方について6年度早期より見直しを検討。また、新設した「医療DX推進体制整備加算」について、今後のマイナンバーカードの保険証利用の実態と活用状況を把握し、適切な要件設定に向け検討するとした。
入院医療は、「地域包括医療病棟」の新設に伴い、10対1の急性期一般病棟は、その入院機能を明確にしたうえで、再編を含め評価のあり方を検討すると明記。さらに、人口構造や医療ニーズの変化も見据え、「重症度、医療・看護必要度」など、入院患者のより適切な評価指標や測定方法、入院料の評価のあり方を検討課題に位置づけた。
外来医療は、生活習慣病の管理について、今回の改定による影響の調査・検証を行うとともに、より適切な管理がなされるよう、患者の視点を十分に踏まえつつ、引き続き検討する。
後発品の使用促進は、診療報酬における後発品の使用にかかる評価を検討課題に据えた。選定療養の仕組みを用いた長期収載品における保険給付の見直しは、患者の動向、後発品への置換え状況、医療現場への影響も含め、実態を把握するとともに、制度の運用方法に関し必要な検証を行う。
長期処方やリフィル処方にかかる取り組みについて、今回改定による影響の調査・検証を行うとともに、適切な運用や活用策について引き続き検討すると追記した。
この日の会合で取りまとめた答申書附帯意見については、2月14日に6年度診療報酬改定の答申書と合わせ、武見敬三厚生労働相に提出した。