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健保ニュース 2024年2月中旬号

第213回通常国会
岸田首相施政方針 包摂的な共生社会を実現

第213回通常国会が1月26日に召集され、岸田文雄首相は30日に衆参両院の本会議で施政方針演説を行った。会期は6月23日までの150日間。

岸田首相は、こども・子育て政策の強化等により、すべての国民が生きがいを感じられ、尊厳が損なわれず多様性が尊重される、「包摂的な共生社会」を実現する考えを示した。

施政方針演説では、30年間続いたコストカット経済から脱却し、社会課題解決に新たな官民連携で取り組むことで賃上げと投資がけん引する「新しい資本主義」を実現すると発言。

経済の再生を政権最大の使命に位置づけ、全就業者の14%を占める医療・介護分野の幅広い現場で働く者に対する物価高に負けない賃上げや、パート労働者が直面する「年収の壁」解消に向けた支援策の活用の拡大などを進めていくとした。

合わせて、「賃上げ」の取り組みとともに、歳出改革を継続することで、高齢化等による国民負担率の上昇の抑制および、財政健全化を着実に進める方針を示した。

また、日本社会の最大の戦略課題は「人口減少問題」との考えを示し、「いま政府ができることはすべてやる」との構えで全力を挙げていくと言及。

そのうえで、年齢や障害の有無にかかわらず、すべての国民が生きがいを感じられ、その尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される、「包摂的な共生社会」を実現していくと強調した。

特に、こども・子育て政策については、前例のない規模で強化を図り、わが国のこども1人当たり家族関係支出は画期的に前進すると指摘。

財源については、まずは徹底した歳出改革等による確保を原則とし、「歳出改革と賃上げにより実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することで国民に実質的な負担が生じないこととしている」と説明した。

単に制度や施策を策定するのではなく、社会全体でこどもや子育て世帯を応援する気運を高める取り組みを車の両輪として進めていくとした。

合わせて、女性の活躍を全力で後押しする観点から、女性役員比率の目標等に向け、人材の採用・育成を支援するほか、男女ともに仕事と育児の両立ができるよう支援策を充実させていくと述べた。

認知症への対応では、今年1月に認知症基本法が施行されたことに言及し、岸田首相が議長を務める「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」の成果を、基本計画の策定などに生かしていくとした。

デジタル行政改革では、マイナンバーカードについて発言。
 利用者起点で発掘した課題を踏まえ、デジタルと規制改革を組み合わせて課題を解決していく方策を実行すると述べ、デジタル社会のパスポートであるマイナンバーカードの利便性向上を徹底的に進める意向を示した。

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