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健保ニュース 2024年1月中旬号

6年度健保組合予算編成通知
適用拡大 報酬改定 影響踏まえ保険料率設定

厚生労働省は12月25日、来年度に向けた健保組合予算編成方針「健康保険組合の令和6年度予算の編成について」を保険局保険課長から健保組合理事長に通知した。

6年度予算編成については、▽保険料率▽保険料額の負担割合▽法定準備金▽一部負担還元金・付加給付▽保健事業▽保険給付の適正化の取り組み▽事務処理体制▽共同事業の推進▽個人情報の流出防止のための対策▽加入者のマイナンバーカード取得促進策への対応─の10項目を重点事項とした。

このうち、保険料率は、その設定に必要な医療費の推計について、6年10月から施行の短時間労働者の適用拡大(50人超の事業所)や6年度の次期診療報酬改定(診療報酬本体+0.88%、薬価等▲1.00%)の影響を踏まえる必要性を指摘した。

また、特定保険料率は、6年度から前期高齢者納付金の3分の1部分に総報酬割を導入することを踏まえ、前期高齢者納付金・後期高齢者支援金等を被保険者の標準報酬月額等の総額の合算額の見込み額で除して得た率を基準として定めるよう示した。

保健事業は、6年度からスタートする「第3期データヘルス計画」の事業の本格稼働に必要な予算の計上を要請。

保険給付の適正化の取り組みは、医療費通知が、加入者自身の医療費の実情や健康に対する認識を深めることを通じて、組合の健全な運営に資することを理由に、医療費情報の確認にマイナポータル等を活用する等、積極的な周知に取り組むことを求めた。

さらに、訪問看護療養費レセプトのオンライン請求が6年6月原請求分から開始されることを踏まえ、必要な体制を確保するよう要請した。

加入者のマイナンバーカード取得促進策への対応は、健康保険証が12月2日に廃止され、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されることから、加入者に対し、マイナンバーカードを健康保険証として利用するための申し込みにかかるさらなる周知を行うとともに、健保組合において資格確認等システムへの速やかな加入者情報の登録に取り組むことを明記した。

そのうえで、医療機関等におけるオンライン資格確認の利用件数が低調なマイナンバーカードについて、自身の健康・医療データにもとづく適切な医療を受診するため、加入者に対しマイナンバーカードによる受診を推進し、周知広報を行うこととした。

他方、予算の計上に関しては、事務費の国庫負担収入について、一般分の被保険者1人当たり月額を▽単一組合10円▽総合組合15円─、介護分の介護保険第2号被保険者1人当たり月額を▽単一組合2円▽総合組合3円─として、前年度の単価を据え置いた。

保険給付費は、組合の過去の実績値、診療報酬等の改定、法律改正等の影響等を踏まえ、健保組合の実情に応じて適正に計上するよう求めた。保険料率と同様、短時間労働者の適用拡大についても明記。新規の加入者を踏まえて見込むこととした。

前期高齢者納付金・交付金、後期高齢者支援金、退職者給付拠出金などの見込額は、「健康保険組合の令和6年度予算編成における納付金等の見込額の算出方法について」(5年12月25日付事務連絡)を参考に計上する。このうち、退職者給付拠出金は5年度までで廃止することを踏まえ、6年度の概算額を0円とし、4年度の精算額等を見込む。

このなかで、納付金等の見込額は、4年度の実績を用いて算定されることから、今後、各保険者が社会保険診療報酬支払基金に報告する6年度の標準報酬月額の見込額を除き、4年10月施行の短時間労働者の適用拡大の影響は6か月分のみ見込んでいるとして、留意を求めた。適用拡大の影響が著しい場合は、支払基金が示す過大・過少の補正申請要件の対象とする予定。また、納付金等の確定時(翌々年度)には、適用拡大の影響が反映された実績を用いて算定するとした。

後期高齢者医療制度からの出産育児支援金に関する事務処理費用に充てる「出産育児関係事務費拠出金」は、6年度は拠出が求められないことから、予算計上を不要とした。

介護納付金の見込額については、6年1月に厚労省老健局介護保険計画課から通知される事務連絡「令和6年度介護給付費・地域支援事業支援納付金について」を参考に計上する。

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