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健保ニュース 2023年12月上旬号

規制改革会議がオンライン診療を議論
受診円滑化や評価見直し要請

政府の規制改革推進会議健康・医療・介護ワーキング・グループ(座長・佐藤主光一橋大学経済学研究科教授)は11月20日に会合を開き、オンライン診療のさらなる普及・促進に向けた対応について議論した。

この日の議論では、①通所介護事業所や公民館等の身近な場所におけるオンライン診療の受診の円滑化②オンライン診療等の診療報酬上の評価の見直し─をテーマとした。

オンライン診療は、受診可能な場所が医療提供施設、居宅等のいずれかとされている。このうち医療提供施設は、厚生労働省が今年5月に発出した通知により、医師が常駐しない診療所におけるオンライン診療について、へき地等を対象に特例的に認められた。

他方、政府が昨年6月や今年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」では、通所介護事業所や公民館等におけるオンライン診療の受診や医師非常駐の診療所をへき地等に限らず都市部でも開設可能とすることが要請された。

オンライン診療の診療報酬上の評価は、令和4年度の診療報酬改定により、初診料が対面診療288点、オンライン診療251点とされ、オンライン診療の評価をコロナ特例における評価(214点)より引き上げたものの、対面診療の約9割の点数となっている。

厚労省は①について、通所介護事業所等におけるオンライン診療は、医療法の規定を根拠に、提供できないとの考えを示した。

また、へき地等以外の場所における医師非常駐の診療所に関しては、特定の診療科目がないなどの医療アクセスが困難な場合があることを念頭に、オンライン診療によらなければ医療の確保が困難な都道府県において認められる地区で、専門的な医療ニーズに対応する役割を担う診療所を受診場所とすることを提案した。

②については、オンライン診療の評価の経緯や中央社会保険医療協議会における6年度の次期診療報酬改定に向けた検討状況を紹介した。

佐藤座長は議論の取りまとめで、①について、患者の場所や地域でオンライン診療の受診機会を限定することに疑問を呈し、厚労省に対して医療提供施設、居宅等としている受診場所や医師非常駐のオンライン診療所を認める地域を再考するよう求めた。

②について、オンライン診療より対面診療を重視する「金銭的バイアスがかかっているのではないか」と言及。

医療機関がオンライン診療を進める意欲が高まらないとして、医療の質の面で同等とのエビデンスが示されていること、患者のニーズが大きいことを踏まえ、診療報酬を見直す必要性を指摘した。

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