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健保ニュース 2023年12月上旬号

参院予算委で少子化財源を議論
岸田首相 現役世代の負担増なし

参院予算委員会(末松信介委員長、自民)は11月28日、令和5年度補正予算を議題として質疑を行った。

日本維新の会の清水貴之氏は、政府の少子化対策財源の1つに 「支援金制度(仮称)」の創設が検討されていることを取り上げ、「低所得者や後期高齢者の負担軽減策を作ることで、中間層にあたる働き盛り世代への負担が増える可能性がある」と危惧。「子育て世代にも該当するこの世代に負担が集中すると、受けるサービスよりも負担が大きくなり、本末転倒ではないか」と質した。

岸田文雄首相は、「具体的な制度設計は、こども家庭庁で検討を進めている」としたうえで、「現役世代の負担が増えることはないと確信している」と応じ、「財源確保についても、現役世代に負担を押し付けるものではない」と強調。「むしろ、賃上げと歳出改革で国民負担率を下げる」と言及し、児童手当の拡充など受益を拡大することで現役世代の評価も得られるとの考えを示した。

また、清水氏は、「支援金制度(仮称)」が医療保険の仕組みを活用することを問題視。「医療保険の目的はあくまでも医療サービスの提供のためにあり、保険料は公的保険に使うもの」と指摘し、「子育てという別建てのものが入ること自体、制度の仕組みを逸脱しているのではないか」と質した。

岸田首相は、「例えば、現役世代の介護保険料は医療保険制度で代行徴収されているように、社会保障制度を運用するうえで、現状もさまざまな工夫が行われている」と説明し、「国民にとって利便性の高い形で徴収などの仕組みを考えていかなければならない」との見解を示した。

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