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健保ニュース 2023年11月中旬号

全世代型社会保障の構築へ
佐野副会長 現役世代の負担軽減を

厚生労働省は10月27日の社会保障審議会医療保険部会に、政府が6月13日に閣議決定した「こども未来戦略方針」にもとづく、こども・子育て政策強化の財源確保に向けた対応など、全世代型社会保障構築への動向を報告した。

健保連の佐野雅宏副会長は、「少子化対策は待ったなしの重要施策だ」との認識を示す一方、「全世代型社会保障の構築に向けては、現役世代の負担軽減を図ることが不可欠だ」と強調。

こども・子育て政策強化の財源について、「徹底した歳出改革を通じ、公費の節減や社会保険料の負担を軽減することで、実質的な追加負担を生じさせないことは、現役世代の負担軽減につながる」と言及し、確実な実行を求めた。

歳出改革の具体的な内容については、「骨太方針2023」に盛り込まれた、かかりつけ医の推進や保険給付範囲の見直し、診療報酬・介護報酬等の同時改定などを通じて実施する必要があるとして、改革工程を明示するよう要望。他方、現役並み所得者である後期高齢者の医療費に対する公費投入といった課題も検討するよう訴えた。

こども・子育て政策強化の新たな枠組みとなる「支援金制度」については、「代行徴収に留め、負担の説明責任は保険者ではなく、国が負うことを明確にする必要がある」と発言。代行徴収の位置づけにもかかわらず、医療保険者が説明責任を負っている介護保険料のあり方と合わせ見直しを検討するよう要請した。

猪口雄二委員(日本医師会副会長)は、「少子化・こども対策は大変重要な政策である」との考えを示したうえで、「その政策に用いる財源を確保するために、病気に苦しむ者の財源を切り崩してはならない」と主張。

少子化・こども対策の財源は社会保障財源とは別に確保することが必要と指摘し、社会保障対策と少子化・こども対策の2つの視点から取り組むよう政府に要望した。

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