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健保ニュース 2023年11月中旬号

武見厚労相が所信表明
全世代型社会保障制度の構築と継承を
医療・介護改革等を推進

武見敬三厚生労働相は、臨時国会の開幕に伴い、1日の衆院厚生労働委員会(田畑裕明委員長、自民)で、厚労行政の諸課題に対する所信を表明した。

全世代型社会保障制度の構築では、「少子高齢・人口減少社会において、すべての世代の国民が安心できる社会保障制度を構築し、次世代に引き継ぐことが重要」と強調。

そのうえで、すべての世代で能力に応じて負担し支え合い、必要な社会保障サービスが必要な者に適切に提供される「全世代型社会保障」を構築するため、こども・子育て支援の充実や、働き方に応じて必要なセーフティネットが確保される社会保障制度の構築、医療・介護制度の改革等に向けた取り組みを着実に進めるとした。

全世代型社会保障の構築に向けた改革については、「年末までの改革工程の策定に向け、関係省庁とも連携し検討を進める」と述べた。

医療分野では、人口構造の変化を見据えつつ、地域医療構想、医療従事者の働き方改革、医師偏在対策を一体的に進める方針の下、地域の医療機関の外来機能を明確化し、機能分化・連携を推進するとともに、かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に向けた検討などを丁寧に進めると言及。

本年4月の出産育児一時金の増額に伴う「出産費用の見える化」については、来年度からの実施に向け具体化を進めるとした。

来年は、6年に1度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定が行われる節目の年と強調し、物価高騰・賃金上昇、経営状況、人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスを受けられるよう検討を進める考えを示した。

医療DXの推進では、本年6月に策定した「医療DXの推進に関する工程表」にもとづき、着実に取り組みを進めると発言。医療介護全般にわたる情報を共有・交換できる「全国医療情報プラットフォーム」を創設するとともに、マイナポータルを活用し、患者自らが自身の公的健診情報を一元的に把握できるよう取り組みを進めるとした。

マイナンバーカードを活用したマイナ保険証については、「質の高い持続可能な医療の実現に必要不可欠で、国民が健康・医療情報にもとづいたより良い医療を享受することを可能にするもの」と言及。

国民の不安や懸念の払しょくに向け、安心してマイナ保険証を利用できる環境の整備に取り組むとともに、マイナンバー情報の総点検を着実に実施していくと述べた。

このほか、いわゆる「年収の壁」への対応策、「年収の壁・支援強化パッケージ」について、国民が年収の壁を意識せずに働ける環境の整備に向け、周知広報や制度の見直しに取り組むとした。

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