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健保ニュース 2023年11月上旬号

中医協が診療報酬改定案を答申
訪問看護 オン資導入の義務化に対応

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は10月18日、令和6年秋の訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入の義務付けや、6年4月のオンライン請求の推進に伴う所要の見直しを武見敬三厚生労働相に答申した。

これを受け厚労省は、省令、告示の交付に向けて事務的な作業を進める意向を示した。
 武見厚労相は、10月11日の中医協総会に、「指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入の義務付けその他オンライン資格確認の用途拡大に伴う対応ならびに保険医療機関および保険薬局におけるオンライン請求の推進に伴う所要の見直し」について諮問。同日の会合では、厚労省が提示した「オンライン資格確認等」の論点にもとづき議論した。

その議論を受け、この日の会合では、厚労省が、個別改定項目として、①指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入の義務付け②オンライン資格確認の用途拡大に伴う対応③保険医療機関および保険薬局におけるオンライン請求の推進に伴う所要の見直し─について提案。

①は、6年秋から、訪問看護におけるオンライン資格確認の導入を義務付ける一方、6年秋時点でやむを得ない事情がある場合は、期限付きの経過措置を設ける。

また、②は、医療機関等との継続的な関係のもと訪問診療等が行われている場合における2回目以降の訪問について、5年12月1日以降、訪問診療等におけるオンライン資格確認の仕組み(居宅同意取得型)に実装される再照会機能を活用した資格確認を行うことを可能とする。

訪問診療等は、医療関係者が居宅を訪問することから、患者のなりすましリスクが低いことを踏まえた対応。

③は、オンライン資格確認導入の原則義務化の例外とされている、書面によりレセプト請求を行っている医療機関と薬局に対し、療養の給付等に関する請求方法等についての法令改正が6年4月1日から施行されることを踏まえ、必要な改正を行う。

厚労省の答申案に対しては、支払側、診療側とも賛成した。
 そのうえで、支払側は、指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入についての経過措置は、あくまで限定的な取り扱いであることを前提に対応するよう要望。特に、「やむを得ない事情」に対し、厚労省による適切な判断を求めた。

他方、オンライン請求の推進に伴う所要の見直しについては、オンライン請求の拡大でデータ分析の精度が向上することになると評価し、今後、中医協の検討の場での活用を期待した。

診療側は、指定訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認の導入について、「運用のハードルは医療機関や薬局以上に高い」と指摘。国による支援に加え、関係団体が十分に理解したうえで全面的な協力支援を行う必要があるとし、懇切かつ丁寧な対応を厚労省に要請した。

小塩会長から答申書を受け取った三浦靖厚労政務官は、「オンライン資格確認は、日本の医療DXを進めるうえで基盤となる仕組みであり、今般取りまとめられた答申には在宅患者への対応など、オンライン資格確認のさらなる推進にとって重要な見直しが盛り込まれている」と言及。

厚労省として、答申にもとづき速やかに省令などの整備を行い、関係者と連携しつつ、その準備に万全を期していくとの意向を示した。

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