HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2023年11月上旬号

健保ニュース

健保ニュース 2023年11月上旬号

岸田首相が所信表明演説
処遇改善へ公定価格見直し
高齢化等の事業者収益増反映

第212回臨時国会が10月20日に召集され、岸田首相は23日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。会期は12月13日までの55日間。

岸田首相は、「変化の流れを絶対に逃さない、掴み取る」との考えの下、何よりも経済に重点を置き、①供給力の強化②国民への還元─を車の両輪として「総合経済対策」を取りまとめ、実行していく方針を示した。

このうち、①では、「年収の壁・支援強化パッケージ」について言及。「今後、106万円の壁に近づく可能性のあるすべての者が壁を乗り越えられるよう、十分な予算上の対応を確保する」と述べた。

②は、高齢化等による国民負担率の上昇に歯止めをかけるため、「所得の増加を先行させ、税負担や社会保障負担を抑制することに重きを置いて経済財政運営を行う」とした。

他方、「人口減少の下でも、従来以上に質の高い公共サービスを提供するため、子育て、教育、介護などの分野でのデジタル技術の活用を利用者起点で進める」と言及。合わせて、マイナンバー制度に対する国民の信頼回復に向け、11月末を目途に総点検を終えるよう、政府を挙げて対応していくとした。

また、「こども未来戦略方針」のスピード感ある実行のため、当面の集中的な取り組みに必要な制度設計を速やかに具体化し、できるところから取り組みを実施していくと強調した。

認知症の者が尊厳や希望を持って暮らせる社会の創造についても発言。
 新たに、「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」を立ち上げ、「認知症基本法」の施行に向けた準備を行うとともに、「レカネマブ」の薬事承認による新たな時代の到来を踏まえ、必要な早期発見、検査・医療サービス等が提供される体制整備や治療薬のさらなる研究開発を進めるとした。

さらに、現場で働く者の給与に関わる公定価格の見直しを進め、高齢化等による事業者の収益の増加等が処遇改善に構造的につながる仕組みを構築すると言及した。

このほか、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期すとともに、花粉症についても、発生源対策、飛散対策、発症・曝露対策を一体的に推進し、国民の負担軽減に向けた取り組みを進める考えを示した。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年