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健保ニュース 2023年10月中旬号

医療部会がかかりつけ医機能を議論
会議体新設し来夏に取りまとめ

厚生労働省は9月29日、社会保障審議会医療部会(部会長・遠藤久夫学習院大学経済学部教授)に、かかりつけ医機能が発揮される制度整備に向け、検討の場となる新たな検討会・分科会の設置を提示した。医療部会に報告しながら検討会・分科会で検討を進め、来年夏頃に取りまとめを行う。

新設の会議体を含む今後の検討体制は、「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会(仮称)」を設け、国民・患者へのかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等のあり方を検討する。

検討会のもとには「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(仮称)」を新設し、かかりつけ医機能報告等の施行に向け、かかりつけ医機能報告に位置づける機能の基本的な考え方や省令等の具体的内容を検討する。

また、既設の「医療情報の提供内容等の在り方に関する検討会」を「医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会」に改編し、「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会」のもう一方の分科会に位置づける。医療機能情報提供制度の全国統一システム化に向け、情報提供項目を分かりやすく伝える方法、対象者別の情報提供のあり方を検討。全国統一システムが6年4月に施行された後は「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」の検討状況を踏まえ、かかりつけ医機能に関する情報提供項目等を見直す。

検討会や両分科会の検討状況は、相互に共有するとともに、医療部会に報告しながら検討を進め、令和6年夏頃に取りまとめを行う。

取りまとめ後は、「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」の取りまとめを踏まえ、改正医療法のかかりつけ医機能関係事項の7年4月施行に向け、省令・告示改正、かかりつけ医機能システム構築に向けた準備を行う。

また、同分科会では取りまとめ後も引き続き、地域の協議の場に関する自治体向けのガイドラインについて、7年度の策定・公表に向けた検討などを行うとした。

このほか、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の施行に向けては、検討会・分科会における検討項目のほか、▽情報提供のためのインターフェイスのあり方▽かかりつけ医機能の報告対象医療機関の範囲▽地域における協議の場での協議の進め方、地域でかかりつけ医機能を確保するための具体的方策、公表─などを検討が必要な事項に整理した。

健保連・河本専務理事
国民・患者のメリットを重視

健保連の河本滋史専務理事は、今後の検討体制と検討スケジュールに対し賛意を示したうえで、「かかりつけ医機能の発揮は、今後の医療提供体制に不可欠なテーマ」と強調。制度設計にあたっては、「かかりつけ医機能が十分に担保され、できる限り多くの国民・患者にメリットがある仕組みとすることが大変重要だ」と強調した。

診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、外来医療において新型コロナウイルス感染症の対応で様々な問題が起こったことを特殊事情だったとし、「これまでの医療提供体制に大きな問題は生じていなかった」と強調。「地域の医療機関の実態に応じて現在の医療提供体制の長所は生かしつつ、より多くの医療機関が前向きに取り組める体制となるよう検討してもらいたい」と要望した。

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