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健保ニュース 2023年10月中旬号

28年度までの社会保障・改革工程
全社会議 年末策定へ議論着手

政府の全世代型社会保障構築会議(清家篤座長)は4日、2028年度までに必要な「社会保障の改革工程」の策定に向けた議論に着手した。

2日に開催された政府のこども未来戦略会議における岸田首相からの指示を踏まえた対応で、年末までに複数回会合を開催し、2023年度から2028年度までの「社会保障の改革工程」を策定する。

こども未来戦略会議で岸田首相は、「こども・子育て支援加速化プラン」の実施に当たって、全世代型社会保障構築の観点からの改革を進めていく意向を示し、「全世代型社会保障構築会議」で「経済財政諮問会議」と連携した改革工程の年末までの策定を新藤義孝全世代型社会保障改革担当相に指示した。

こども未来戦略会議の終了後に記者会見した新藤全世代型社会保障改革担当相は、歳出改革に関し、「2028年度までに必要な具体的な社会保障の改革工程を年末までに策定する」との考えを表明。さらに、「2028年度の先も視野に入れて検討を深めていく」と発言した。

この日の全世代型社会保障構築会議では、全世代型社会保障の構築に向けた「社会保障の改革工程」をテーマに議論した。

構成員からは、「医療や介護の改革は、こどもの財源出しの観点からでなく、全世代型社会保障構築の理念や社会保障制度の持続可能性を確保する観点から議論を行っていくのがこの会議のスタンスだ」などの意見が多数あがった。

また、香取照幸構成員(未来研究所臥龍代表理事/兵庫県立大学大学院社会科学研究科特任教授)は、「かかりつけ医機能発揮のための制度整備」について、医療提供システム改革全体の視点から、かかりつけ医を地域で実装していくための取り組みを進めることが必要と指摘。

そのうえで、▽患者による選択▽かかりつけ医機能の定義▽かかりつけ医機能の対象が「慢性疾患を有する者」に限定されていること▽患者国民のニーズの明確化─などの論点に沿った必要な制度整備・政策遂行が求められると提言した。

他方、「勤労者皆保険」については、「単なる社会保険の適用拡大の問題ではなく、格差の是正・分配の歪みを解消するための重要な取り組み」との考えを示し、実態に即した制度設計を訴えた。

このほか、この日の会合では、「全世代型社会保障構築会議報告書のフォローアップ」をテーマに議論した。

「全世代型社会保障構築会議報告書」に明記された①働き方に中立的な社会保障制度等の構築②医療・介護制度の改革③地域共生社会の実現─について、厚生労働省が報告した。

このうち、②では、「かかりつけ医機能の制度整備」について、国民・患者へのかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等のあり方の検討を統括する場で、令和7年4月の制度施行に向けた具体的な議論を行っていく方向性を示した。

また、「地域医療構想」は、構想区域ごとの効果的な事例を示し、都道府県にさらなる取り組みを促すほか、2026年度以降の地域医療構想の取り組みについて、今後、中長期的課題を整理し検討していくと明示。

「医療DX」は、全国医療情報プラットフォームの構築に向け2024年度中の電子処方箋の普及に努めるとともに、オンライン資格確認等システムを拡充して電子カルテ情報共有サービス(仮称)を構築し共有する情報を拡大するなど、「医療DXの推進に関する工程表」に沿った取り組みを進めるとした。

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