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健保ニュース 2023年10月中旬号

こども未来戦略会議が検討再開
財源確保へ年内に「戦略」策定
支援金制度 こども家庭庁で具体的検討

政府の「こども未来戦略会議」(議長・岸田文雄首相)は2日、7回目の会合を開き、政府が6月13日に閣議決定した「こども未来戦略方針」の具体化に向けた議論に着手した。

同会議は、「こども未来戦略方針」を取りまとめた6月13日以来、約4か月ぶりの開催。「こども・子育て支援加速化プラン」を支える安定的な財源の詳細を明示する「こども未来戦略」の年内策定へ検討を再開した。

政府が6月13日に閣議決定した「こども未来戦略方針」は、児童手当の拡充等で年間3兆円半ばの予算規模を見込む「加速化プラン」等の安定財源確保へ、社会保険の賦課・徴収ルートを活用する「支援金制度」の構築を打ち出した。

一方、実質的な追加負担とならないよう、改革工程表にもとづく社会保障改革や歳出見直しを徹底。「支援金制度」や歳出改革の詳細は年末に決着を図ることとした。

この日の会合では、「加速化プラン」の内容の具体化と併せて、予算編成過程における歳出改革等を進めるとともに、新たな特別会計の創設など、必要な制度改正のための所要の法案を令和6年通常国会に提出することを確認。

構成員からは、▽給付と負担の関係が明確になるよう、1つの支援金制度を検討するのであれば、支え手の裾野の広い医療保険制度の活用が考えられる▽歳出改革に必要な社会保障の改革工程表の策定に関して、全世代型社会保障の基本的考え方に立ち、2020年代後半さらには2040年を見据えた改革プランを国民に示す必要がある▽少子化対策のための支援金が導入されたとしても、国民負担が過重にならないよう、保険料負担を抑制するための改革をすべき─などの意見があった。

岸田首相は、「加速化プラン」に掲げる各種施策について、「法制化が必要なものは来年通常国会での法案提出に向け準備し、制度設計等の具体化を急ぐ必要がある」と言及。

加藤鮎子こども政策担当相、新藤義孝全世代型社会保障改革担当相、武見敬三厚生労働相をはじめとする関係大臣に対し、関係会議で検討を進め、成案を得るよう指示した。

他方、「加速化プラン」の実施に当たり、全世代型社会保障構築の観点から改革を進めていく方針を表明。全世代型社会保障構築会議で、経済財政諮問会議と連携した改革工程の年末までの策定を新藤全世代型社会保障改革担当相に要請した。

会議終了後に記者会見した新藤全世代型社会保障改革担当相は、「歳出改革は、今後、全世代型社会保障構築会議で、諮問会議と連携して議論を深め、2028年度までに必要な具体的な社会保障の改革工程を年末までに策定したい」と発言。

また、「社会保障の改革は、当面の課題のみならず、人口減少・超高齢社会への中長期的な課題を克服するための取り組みを着実に進めるものでなくてはならない」との観点から、「2028年度の先も視野に入れて検討を深めていく」との考えを示した。

他方、今後は、「こども未来戦略方針」を踏まえ、関係省庁で詳細を検討した結果を「こども未来戦略会議」に報告し、年末までに「こども未来戦略」を取りまとめるスケジュールを明示。「支援金制度」における賦課徴収方法の設定は、「こども家庭庁で具体化に向けた検討を進めていく」と述べた。

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