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健保ニュース 2023年9月下旬号

健保連神奈川連合会が講演会
牧島氏 マイナカードの不安解く重要時期
信頼回復に取り組む意向示す

健保連神奈川連合会(会長・奈良﨑修二日産自動車健保組合顧問)は4日、健保連本部との共催で、前デジタル大臣の牧島かれん衆議院議員を招き、「令和5年度 秋の講演会」を開催した。このなかで牧島氏は現在、多くの国民がマイナンバーカードに対しては不安や疑問を抱いているとしたうえで、「今は、この不安や疑問を解く重要な時期」と指摘し、信頼回復に向けた取り組みを重ねていくとの決意を明らかにした。

奈良﨑会長の開会のあいさつ、健保連秋山実理事の情勢報告に続き、講演に立った牧島氏は、デジタル庁大臣としての約1年間を振り返った。そのなかでデジタル庁は1つのことを決定したら、その方針を変えず運営するというのではなく、時代の要請や現場からの意見、国民からのフィードバックによって、変化させることもあり得る柔軟な組織として運営されていると説明した。その理由として、「アジャイル(Agile)」という、「機敏な」、「柔軟な」という意味の言葉を紹介し、デジタル庁はこの「アジャイル」という考えを方針に掲げて運営していることをあげた。

デジタル庁の政策については、今後も、データやエビデンスの裏付けのもと、国民からのコメントやフィードバックを加味し、変更する、あるいは修正した方がより良い目標の達成につながるということであれば柔軟に対応し、変えることを恐れずに行うことが必要と述べた。さらにこのデジタル庁の方針が、霞が関の各省庁の新たなモデルになり、行政のあり方や職員の働き方にも影響を与えると強調した。

マイナンバーカードについては、「デジタル時代のパスポート」との考えのもと、デジタル社会を推進するうえで必須のものであると指摘。顔写真が掲載されていることにより、なりすましを防止でき、本人確認が行える最高位のツールと紹介した。しかしマイナンバーカードの取得率は78%、健康保険証としての利用登録率は70%、公金受取口座の登録率は61%に留まっていると、現在の状況に危惧を表明。新聞のアンケート結果では、日本は世界に比べてデジタル分野で遅れており、もっとデジタルは進めるべきと、多くの方が思っているのに、マイナンバーカードを使ってデジタル社会を進めるべきかと聞くと、反対や不安の意見や声があると説明した。

そのうえで牧島氏は、「今は、この不安や疑問を解く重要な時期」と述べ、国民にきちんと理解してもらえるよう丁寧に説明し、信頼回復に向けた取り組みを重ねていくとの決意を明らかにした。

健保組合に対しては、マイナンバーカードと健康保険証の資格情報の点検や確認作業において、短期間で処理したことで大変な負担をいただいたと謝意を表明。そのうえで、マイナンバーカード健康保険証については、医療機関の事務で大きな負担軽減が図れるだけでなく、保険者にとっても古い保険証を回収するコストが削減できるなどのメリットがあることから、引き続き、誤登録が発生しないよう再発防止対策に取り組むよう要請した。

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