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健保ニュース 2023年9月下旬号

埼玉県さいたま市で時局講演会
自民党村井氏 実効ある要請活動を提案
皆保険の持続可能性の確保へ

健保連埼玉連合会(会長・埼玉機械工業健保組合菊池勇理事長)と健保連本部は11日、埼玉県さいたま市で、時局講演会を共催。同県の健保組合の役職員など100人が参加した。

講演会には内閣総理大臣補佐官(当時)という政府の要職とともに、自民党「国民皆保険を守る国会議員連盟」の事務局長を務める村井英樹衆院議員が出席し、「国民皆保険を守る国会議員連盟の活動について」をテーマに講演。社会保障政策の決定のプロセスを解説したうえで、健保組合に対し、わが国の医療保険制度の持続可能性を高めるため、政策決定に深く関わる政治に対し、強い関心を持って取り組むよう求めた。

村井氏は、まず健保組合における保健事業の重要性を強調。健保組合にとって、最も強化・充実すべき事業に位置づけた。

一方で、健保組合の決算、高齢者医療への拠出金などの推移をもとに健保組合の厳しい財政状況に理解を示したうえで、「健保組合、健保連の政治への関心と働きかけの結果として、財政状況が改善する可能性がある」、「皆さんに頑張っていただくことこそがこの国最大の課題である社会保障、なかでも国民皆保険の持続可能性につながる」と述べ、従来に増した活動の必要性に言及した。

また、診療報酬の改定率を例に、政府・与党における政策決定過程を紹介するなかで、診療側の団体は自民党議員に強力なロビー活動を行っており、これが診療報酬の改定率の決定に強く影響していると見られていると報告。医療保険制度に関わる関係者の見解が異なることは避けられないとしながらも、皆保険制度の持続可能性を確保するため、医療費の増大スピードを抑えることが不可欠だと強調した。そのうえで、支払い能力のある高齢者の窓口負担を2割に引き上げることなどにより高齢者医療費の増加抑制に真正面から取り組まなければならないと指摘。皆保険議連の活動を通じて、バランスのとれた政策決定をめざすとの意欲を表明した。

来年度に予定される診療報酬等のトリプル改定を政治が関与する政策決定の一例にあげ、約2900万人の加入者で構成する健保組合の「力の見せ所」だと強調。健保組合に「有権者の声を国政に届けるのが仕事」である国会議員と日頃からそれぞれの地域でお互いの顔が見える関係を築き、政策決定に向けた議論に対し、実効性の高い強力な要請活動を行うよう呼び掛けた。

なお、講演会の冒頭、主催者を代表し健保連の佐野雅宏副会長があいさつし、健保組合・健保連の健全な事業運営の展開と主張実現のための要請活動の強化が必要だと訴え、参加者に理解と協力を求めた。

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