健保ニュース
健保ニュース 2023年9月中旬号
健保連・都道府県連合会、健保組合
10月に「健康強調月間」を実施
実情に沿った事業を展開
健保連と健保連都道府県連合会、健保組合は、10月1日からの1か月間を「健康強調月間─生活習慣病予防普及月間─」として、健保組合加入者の健康づくりに関する各種事業を展開する。
健康強調月間は、昭和39年の東京オリンピック後に国が提唱した体力つくり国民運動の機運の高まりを契機に始まり、41年から毎年10月に実施されている。加入者の健康保持・増進を図るため、健康づくりに関する各種事業を展開し、本年度は58回目。特定健診・保健指導の制度化以降は生活習慣病予防の普及・啓発強化月間と定め、健康無関心層へ生活習慣の改善を促すとともに、健康寿命延伸につなげる活動を実施している。
近年、企業等におけるテレワークの実施により、ワークライフバランスの実現や生産性の向上等のメリットが期待されている一方、身体活動量の減少や生活リズムの乱れによるメタボリックシンドロームリスクの増加、高齢者世代におけるロコモティブシンドロームの進行など、生涯現役社会における新たな健康課題への対応が求められている。このような状況を鑑み、健保連・都道府県連合会・健保組合が三位一体となり事業を推進する。加速する就業環境の多様化とそれに伴う健康リスクの解消に向けた事業形成を図るとともに、加入者のみならず、国民のヘルスリテラシーの向上をめざす。
同月間の実施要綱や関連資料は、イントラネットで既に都道府県連合会、健保組合に提供しており、健保組合の実情に沿った事業の企画・展開を求めている。
第58回健康強調月間の事業は、厚生労働省、スポーツ庁、健康日本21推進全国連絡協議会、公益財団法人健康・体力づくり事業財団、中央労働災害防止協会の後援▽日本赤十字社、 公益財団法人結核予防会、一般社団法人日本病院会、公益社団法人全日本病院協会、公益社団法人日本人間ドック学会、一般社団法人日本総合健診医学会、 特定非営利活動法人日本人間ドック健診協会の協力─のもと実施する。(実施要綱に盛り込まれた健保連・都道府県連合会・健保組合の事業内容の要旨は次のとおり)
- PR活動および各種情報の提供
健康強調月間の趣旨に沿った各種情報を機関誌・紙やイントラネット等で周知する。 - ポスターの作成・配布
健康強調月間のPR活動の一環として▽運動、食生活、禁煙、健診・検診の受診の4つのアクションを柱とし、健康で元気に毎日が送れるよう、生活習慣の改善を啓発する内容の健康強調月間PRポスター(前頁右図)▽若いころからの適度な身体活動や運動習慣の定着はメタボ・ロコモ予防、様々な疾病予防につながるとの観点から、働く世代が今より少しでも多くからだを動かすことを促し、心身の健康の保持・増進を図る内容の通年ポスター(同左図)─の2種類を健保連本部が作成し、都道府県連合会および健保組合と連携して周知・啓発を図る。 - 「スマート・ライフ・プロジェクト」の普及・啓発
健康寿命の延伸をめざし、運動、食生活、禁煙、健診・検診の受診の4つのアクションを提唱する厚生労働省の「スマート・ライフ・プロジェクト」の趣旨に賛同し、周知を図る。 - 「Sport in Life」の普及・啓発
スポーツ庁が展開する「Sport in Life プロジェクト」は、自然と多くの人がスポーツを生活習慣の一部として親しむ社会をめざしている。プロジェクトの活動趣旨に賛同し、ロゴマークを活用したポスターを作成・配布するなど、健保組合加入者のスポーツ実施率の向上を図るとともに、国民がスポーツに親しむための機運の醸成に寄与する。 - 特定健診・特定保健指導の推進への支援
生活習慣病への一次予防の重要性やリスク因子保有者を早期に発見することの必要性を周知するとともに、令和6年度からの第4期特定健診・保健指導に関する説明会・研修会等による支援を展開。特定健診・保健指導の受診・利用のあり方、受診率、ICT等を活用した実施率向上につながる基盤整備などの支援を実施する。また、動画配信やオンライン研修により、特定健診・保健指導の必要性の啓発や実施率向上を図る。さらに、健保連と日本人間ドック健診協会が共催する「受けてよかった人間ドック体験記コンクール」を周知し、加入者の健診受診率向上に寄与する。 - がん対策の普及・啓発
厚労省が推進する「がん対策推進企業アクション」の趣旨に賛同し、加入者に対してがん検診の普及・啓発をめざす。また、女性の社会進出や雇用延長に伴う就労年齢の高齢化など、社会環境の変化に対応した職域におけるがん対策として、健保組合および事業主に対して同アクションへの参画を促すとともに、国立がん研究センターが作成した「がん検診啓発リーフレット」の活用を周知する。 - 関係機関への協力・連携
健康強調月間の趣旨に沿った事業が他団体で行われる際は協力するとともに、事業主が同事業を展開する場合は積極的に連携・協働し、コラボヘルスの推進を図る。