健保ニュース
健保ニュース 2023年9月中旬号
日本総研が医療保険・国民調査
市販薬 保険対象から除外が半数
日本総研は8月31日、「公的医療保険制度の持続可能性に関する国民調査」の結果をまとめ、公表した。
それによると、「給付の見直し」について、「湿布、塗り薬および解熱剤などの市販薬として入手可能な薬を公的医療保険の対象から外すべき」と考えている国民が半数に達することが明らかになった。
調査は、「医療提供体制」、「給付と負担」および「ドラッグラグ・ドラッグロス」の観点で国民が期待していることなどを定量的に把握し、議論を深めるため、20歳以上の男女3000名を対象にインターネットアンケートを実施した。
「医療提供体制」では、「かかりつけ医を持っている人」は50.8%で、50代(48.4%)、60代(59.8%)、70代(71.5%)と年代が上がるにつれて割合が高くなる一方、20代と30代は35.4%、40代は34.5%にとどまった。
また、「かかりつけ医がいない人」のうち、「持ちたいと思うかかりつけ医」は、「身近で頼りになる(49.8%)」、「必要な時に、専門医や専門医療機関を紹介してくれる(40.4%)」ようなかかりつけ医だった。
「給付と負担」では、「医療にかかる費用を削減するために政府に期待する取り組み」は、▽医療情報の連携(44.9%)▽安価な治療方法の推奨(43.5%)▽重症化予防の推進(42.9%)─などで高く、「これを前提に国民の負担増を議論しても良い」と考えていた。
また、国民の負担増が必要な場合、66.7%の人が「現役世代だけでなく、高齢者を含む国民全体で負担すべき」と考えており、全世代間でみても大きな差はなかった。
増加する医療にかかる費用を抑えるため、高齢者への負担増が必要な場合に、「所得のみならず、金融資産なども考慮して自己負担額の割合を決めるべき」と考える人は58.1%を占めた。
さらに、医師が処方しなくてもドラッグストアで買える薬に関して、「湿布や塗り薬などの外用薬」は49.6%、「解熱剤やせき止めなどの内服薬」は44.4%の人が「公的医療保険の対象とすべきでない」と考えていた。
一方、生命に危機が及ぶような希少疾患に対して医師が処方する薬に関しては70.6%、がんなど生命に危険が及ぶ病気に対して医師が処方する薬に関しては74.4%が公的医療保険の対象とすべきと考えていることがわかった。