健保ニュース
健保ニュース 2023年9月上旬号
少量多品目構造の解消をテーマ
後発品検討会 「薬価削除」の問題提起も
厚生労働省の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」(武藤正樹座長)は8月21日、第2回目の会合を開催し、①安定供給等の企業情報の可視化②少量多品目構造の解消─をテーマに議論した。10月を目途に中間とりまとめとして一定の結論を得る。
テーマ②では、厚労省が、▽後発品の製造所で、取扱品目数が多くても製造量が必ずしも多くない実態▽品目数が多い工場でも受託量が過半数を超える製造所が複数存在▽内用剤の品目数、成分数は他の剤形に比べ多い状況─などの現状を提示。
また、ある成分で多品目となる要因について、新規収載および品目統合で一定の課題が存在しているとの考えを示した。
そのうえで、後発品の供給不安におけるボトルネックと考えられる「少量多品目構造」を解消することで、安定供給を実現することが一義的な目的であるとし、▽優先的に解消していく品目▽解消するための手法─を検討すべき論点として提示。
剤形別の品目数では、内用剤が他の剤形に比べ比較的品目数が多い傾向にある実態や、新規参入、品目統合のそれぞれの課題を踏まえ、あり方を考える必要があるとした。
構成員からは、▽品目統合より新規参入にターゲットを絞っていくことが重要である▽新規品目の発売時に製造能力を評価する等の対応が考えられる▽重複品目は減らしていくべき─などの意見のほか、「薬価削除も考えるべきではないか」との問題提起もあった。
なお、この日の会合では、7月31日に開催した前回会合で構成員から指摘された意見を踏まえ、AG(オーソライズド・ジェネリック)の強靭化や品質管理のあり方を本検討会で議論すべき論点に追加した。