健保ニュース
健保ニュース 2023年7月中旬号
支払基金が4年度診療報酬を確定
前年度比 件数11%増、金額6%増
金額はコロナ前比で11%増に
社会保険診療報酬支払基金(神田裕二理事長)は6月27日の記者会見で、令和4年度の診療報酬確定状況を公表した。件数は前年度比11.3%増の12億6219万件、金額は同6.0%増の14兆4023億円に上昇。新型コロナウイルス感染症が流行する前の元年度に比べ、件数は9.8%、金額は11.0%それぞれ増加した。医療保険の金額は前年度比6.0%増(元年度比11.2%増)の11兆4861億円で、コロナ禍前と比較しても伸びが大きい。健保組合は件数が同7.0%増の3億4657万件、金額が同6.3%増の3兆9194億円となり、金額はコロナ禍前に比べ10.8%増加した。
令和4年度の診療報酬確定状況をみると、確定件数は前年度比11.3%増の12億6219万件に増加した。新型コロナウイルス感染症が流行する前の元年度と比較しても9.8%増えている。
制度別では、医療保険は元年度に比べ3.5%増だったが、新型コロナの給付を行う公費(法別28)の増加により各法が同36.0%増えたため同9.8%増に上昇した。
診療種別では、食事・生活療養費(再掲)を除き、医科、歯科、調剤、訪問看護とも前年度、元年度に比べ増加した。
他方、確定金額は、前年度比6.0%増の14兆4023億円に増加し、元年度と比較すると11.0%上昇。コロナ関連点数を除いた場合は前年度比3.9%増、元年度比4.7%増となる。
診療種別では、食事・生活療養費を除いていずれも増加。金額が伸びた要因について支払基金は、医科入院は手術の算定回数増加や急性期充実体制加算の新設、医科入院外は初診料の算定回数増加や不妊治療の保険適用をあげた。
他方、歯科は歯科疾患管理料とその加算および歯科衛生実施指導料や歯周病検査の算定回数の増加が要因と分析。調剤は薬価引き下げで内服薬が減少する反面、デュピクセント注射薬(アトピー性皮膚炎等)やヘムライブラ(先天性血友病A患者における出血傾向の抑制等)の算定回数の増加が影響したと説明した。
確定状況の制度別の内訳は、医療保険で件数が前年度比7.0%増(元年度比3.5%増)の9億5973万件、金額が同6.0%増(同11.2%増)の11兆4861億円。確定金額は、コロナ禍前と比較し大きく伸びている。
確定件数は、▽健保組合(前年度比7.0%増の3億4657万件)▽協会けんぽ(同5.0%増の4億9534万件)▽船員保険(同3.3%増の128万件)▽共済組合(同16.8%増の1億1655万件)─で、協会けんぽ分が半数超を占める。
確定金額は、▽健保組合(同6.3%増の3兆9194億円)▽協会けんぽ(同3.8%増の6兆2677億円)▽船員保険(同0.1%減の184億円)▽共済組合(同17.9%増の1兆2806億円)─。健保組合は被保険者(同6.6%増)に比べ被扶養者(同7.1%増)の伸びが大きく、コロナ禍前の元年度と比較しても10.8%増加している。
診療種別の内訳をみると、医科は、件数が前年度比13.8%(元年度比12.7%)増の6億8562万件、金額が同6.6%(同11.5%)増の10兆1631億円。
歯科は件数が同2.0%(同4.8%)増の1億6002万件で金額が同2.0%(同9.0%)増の1兆3101億円、調剤は件数が同11.1%(同7.0%)増の4億1372万件で金額が同5.6%(同8.7%)増の2兆6748億円、食事・生活療養費は件数(再掲)が同1.4%(元年度比6.2%)減の785万件で金額が同3.7%(同9.6%)減の938億円、訪問看護療養費は件数が同14.8%(同56.8%)増の284万件で金額が同17.0%(同69.1%)増の1604億円だった。
健保組合の診療種別をみると、医科は件数が同7.1%増の1億8023万件で金額が同7.0%増の2兆7098億円、歯科は件数が同1.7%増の5093万件で金額が同1.7%増の4331億円、調剤は件数が同9.4%増の1億1508万件で金額が同6.6%増の7509億円、食事・生活療養費は件数(再掲)が同2.0%減の184万件で金額が同4.1%減の82億円、訪問看護療養費は件数が同13.9%増の33万件で金額が同13.8%増の174億円となる。
協会けんぽは、▽医科(件数5.1%増の2億6075万件、金額4.3%増の4兆4379億円)▽歯科(件数0.5%増の6936万件、金額0.5%増の6208億円)▽調剤(件数6.6%増の1億6473万件、金額3.6%増の1兆1650億円)▽食事・生活療養費(件数3.5%減の322万件、金額5.7%減の168億円)▽訪問看護療養費(件数12.0%増の49万件、金額10.9%増の272億円)─だった。