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健保ニュース 2023年7月中旬号

6年度の4期医療費適正化計画へ
医療保険部会が基本方針を了承
厚労省 7月中旬を目途に告示

医療保険部会は6月29日、令和6年度から11年度の6年間を期間とする第4期医療費適正化計画に向けた「基本方針」を了承した。これを受け、厚生労働省は、パブリックコメントによる意見募集など必要な手続きを経て、7月中旬を目途に告示する意向を示した。

「第4期医療費適正化基本方針」は、全般的な事項をはじめ、第4期医療費適正化計画における都道府県の目標や目標達成に向けて都道府県が取り組む施策などを主な内容とする。

基本的な考え方として、都道府県が保険者や医療関係者等と連携し、地域の実情を踏まえて実効的な取り組みを推進する必要があると指摘。都道府県計画の作成に当たっては、全社法で必置化された保険者協議会の場を活用し、関係者の意見を踏まえた取り組みを進めていくことが重要と記載した。

都道府県計画の目標達成に向けては、保険者等の保健事業の取り組みが特定健診等実施計画やデータヘルス計画に反映されることが望ましい旨を追記した。

具体的な目標項目では、現行の「後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までにすべての都道府県で80%以上とする」という政府目標を、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の議論等にもとづき、「令和5年度中に金額ベース等の観点を踏まえて見直す」と明記。都道府県が策定する第4期医療費適正化計画の目標は、新たな政府目標を踏まえ、6年度に設定することとした。

バイオ後続品は、「80%以上置き換わった成分数が全体の60%以上」とする新たな目標を追加。さらに、リフィル処方箋について、医療資源の投入量に地域差がある医療の実態を確認したうえで必要な取り組みを進める目標も追加した。

既存の目標にかかる施策では、特定健診・特定保健指導について、6年度からの第4期でのアウトカム評価の導入やICTの活用により、目標達成に向けた実施率の向上が図られるとともに、さらに効果的・効率的な取り組みの実施が期待されることを踏まえ、こうした保険者の取り組みを支援することとした。

他方、後発品の使用促進に向けて、保険者等による差額通知の実施を支援するほか、「フォーミュラリに関する医療関係者への周知をはじめとした必要な取り組みを行うこと」を追記。

また、医薬品の適正使用を推進するため、医療機関・薬局での重複投薬等の確認を可能とする電子処方箋の普及促進や、「高齢者の医薬品適正使用の指針」における取り扱いを踏まえ、「高齢者に対する6種類以上の投与を目安として取り組む等、取り組み対象を広げること」を追記した。

健保連の佐野雅宏副会長は、都道府県の第4期医療費適正化計画の取り組みが着実に実行されるよう、国としても適切な支援を行うよう要請。

そのうえで、フォーミュラリやリフィル処方箋、電子処方箋といった新たに追加された項目については、「積極的に取り組みを推進するべき」と強調した。

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