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健保ニュース

健保ニュース 2023年7月中旬号

保険者によるデータ登録徹底など
保険証廃止へロードマップ
オン資確認不可 8月診療分から対応

オンライン資格確認利用推進本部(本部長・加藤勝信厚生労働相)は6月29日、初会合を開催し、オンライン資格確認の利用推進に向けた今後の取り組みをテーマに議論した。

同本部は、オンライン資格確認における資格情報の迅速かつ正確なデータ登録を推進することにより、国民が安心してマイナンバーカードを健康保険証として利用できる環境を整備するために設置。

本部長(厚労大臣)、本部長代理(厚労副大臣、厚労政務官)、副本部長(厚労事務次官)、構成員(関係部局長等)、オブザーバー(デジタル庁統括官、社会保険診療報酬支払基金理事長、国民健康保険中央会理事長)で構成し、オンライン資格確認における資格情報の迅速かつ正確なデータ登録をはじめ、医療機関・薬局や保険者における円滑な運用、マイナンバーカードと保険証の一体化に関する啓発・広報などの事項を取り扱う。

この日の会合では、保険証を廃止する令和6年秋に向けたロードマップを提示した。
 このうち、保険者による迅速かつ正確なデータ登録の徹底に向けた「新規登録データの誤登録再発防止」は、システム改修を行ったうえで、6年度から新規登録データについて全件システムチェックによりJ-LIS照会を実施。

また、「登録済みデータの総点検」では、全保険者に対して、6月末までに作業状況の報告、7月末までに点検結果の報告を求める。そのうえで、8月以降、5情報(漢字氏名、カナ氏名、生年月日、性別、住所)についてJ-LIS照会を実施。異なる個人番号が登録されている疑いがあるものについて、本人に送付する等により確認を行うとした。

一方、マイナンバーカードによるオンライン資格確認が行えない場合の対応として、通知発出やマニュアル等により医療現場等への周知を実施。保険料を払っている者が8月診療分(9月請求分)から必要な自己負担(3割~1割)で保険診療を受けられるように取り扱う。

資格無効や機器不良など、医療機関・薬局が何らかの事情で資格確認を行えないケースでは、▽マイナポータルの資格情報画面(患者自身のスマートフォンで提示可能な場合)▽保険証(患者が持参している場合)─で資格確認を実施。この方法で資格確認できない場合、医療機関等は患者に「被保険者資格申立書」の記入を求めたうえで、窓口で患者自己負担分(3割~1割)を受領する。

現在や過去の資格情報の確認が困難である場合、保険者番号や被保険者番号が不詳のままでも、医療機関等はレセプト請求を行うことが可能とした。

患者が窓口で負担する自己負担分を除く医療費負担(7割~9割)については、加入している保険者が負担する。過去の資格情報にもとづき請求されたレセプトや資格情報不詳のレセプトについて、審査支払機関で可能な限り直近の保険者を特定。

最終的に保険者を特定できなかった場合は、災害等の取り扱いを参考に、保険者等で負担を按分することとした。

厚労省は、医療機関等における直近の診療報酬支払実績にもとづき按分する現行の仕組みも参考とし、保険者に一定の納得ができる形で検討を進めていく意向を示した。

このほか、ロードマップでは、6年秋の保険証廃止に向け、マイナンバーカードの取得促進、資格確認書の運用整理、訪問診療等や柔整あはき施術所等におけるオンライン資格確認の実施等を進めると明記。

また、法律にもとづき、7年秋まで最大1年間、発行済みの保険証が使える猶予期間となるとした。

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