健保ニュース
健保ニュース 2023年7月上旬号
6年度予算概算要求見据え
自民党出産議連 産科医療機関への支援検討
自民党の出産費用等の負担軽減を進める議員連盟(小渕優子会長)は6月19日、出産費用の保険適用に向けて、日本産婦人科医会から、産科医療機関への経営実態と支援のあり方を聴取した。
同議連は、令和6年度の政府予算概算要求を見据え、一般財源の地域医療介護総合確保基金などによる産科医療機関への支援について検討を進めていく意向を示した。
日本産婦人科医会は、今年4月の42万円から50万円への出産育児一時金増額後も52.1%の妊婦が負担を負うことになると試算。分娩費用が保険化などにより全国一律となった場合、産科単科の施設が最も影響を受け、一部は運営困難に陥る可能性があると指摘した。
このほか、この日の会合では、出産ケア政策会議から、正常分娩を保険適用の対象とする「出産保険」制度の創設を求める提言を聴取した。
正常分娩を保険適用の対象とした場合、乳幼児等医療費助成制度と同様に、自己負担3割分を自治体が助成する制度を創設するよう要望。また、正常分娩における保険適用の枠組みに助産所も入っているのかどうかを厚生労働省に質した。
厚労省保険局の原田朋弘保険課長は、「出産費用の保険適用は、現行の出産育児一時金による現金給付を他の治療、疾病と同様に公定価格の現物給付へと改めていく議論であり、様々な課題を解決していく必要がある」との認識を示した。
また、「正常分娩における保険適用の枠組みから助産所を排除しているわけではない」と応じ、今後、具体的な仕組みを検討していくとした。