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健保ニュース 2023年4月下旬号

財政審会長に十倉経団連会長が就任
課題に切り込み道標を提示
少子化財源 税含む幅広い議論必要

財務相の諮問機関である「財政制度等審議会」は14日、総会を開催し、日本経済団体連合会の十倉雅和会長(住友化学(株)代表取締役会長)を新たな会長として選任した。

十倉会長は、会合後の記者会見で、「財政審は新体制となったが、日本の経済、財政が抱える構造的な課題に切り込み、今後のあるべき姿、道標を示すという使命を果たしていくため、しっかり取り組んでいきたい」と強調。

また、「財政の健全化というのは絶対に外してはいけないポイントだ」と指摘したうえで、「財政について、単年度ではなく、中長期的な視点からダイナミックに健全化を図るというのが財政審全体の意見だと認識している」と述べた。

さらに、「静かなる有事と言われる少子化など、時代を画するような出来事が同時にいくつか起こっており、われわれは厳しい財政下で時代の転換点に対応していくことになる」と問題提起。

大きな視野や中長期的な視点、グランドデザインをしっかり描いたうえで、メリハリや優先順位をつけて対応していく考えを示した。

少子化対策については、「日本社会全体の問題であり、財源は社会全体から広く薄く確保して重点的に投資していく対応が基本」との観点から、「ある特定の世代や分野の者に負担が偏るようなものではない」と主張。社会保険に限定するのでなく、税も含めた幅広い安定財源の確保の議論が必要と訴えた。

なお、十倉会長は、次年度の予算編成や今後の財政運営に関する基本的考え方などを「建議」として提言する財政制度分科会の分科会長も兼任する。

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